ネットストレージはどれが一番使いやすい!?




インターネット上に文書や画像などのファイルを保存するサービスとして、注目を集める「ネットストレージ(オンラインストレージ)」。いつでも、どこでも、誰とでもファイルを利用できるというメリットがありがたいのですが、最近は多くのサービスが登場して、選ぶにあたって混乱するという声をよく耳にします。



そこで、パソコン活用情報誌『アスキー・ドットPC』元編集長で、大正大学表現学部教授の大島一夫先生に、「ネットストレージの選び方」などについてお話を伺いました。



■容量、同期のスピードを試用してチェック



ネットストレージは、どのようなポイントに注目すればいいのでしょうか。大島先生は、こう説明します。



「ネットストレージで保存(アップロード)したファイルは、パソコンとインターネット環境さえあれば、パソコン内にあるかのように使うことができます。



次の3つの点を意識し、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶといいでしょう。



・無料で利用できる容量を確認

無料で使えるのは2GBから5GBであることが多く、さらに大容量のタイプもあります。ただし、扱える1ファイルのサイズに容量制限があったり、ファイルのアップロード、ダウンロードが必要で操作が面倒なのは使いづらかったりします。その点も同時にチェックしましょう。



・同期(複数のデータの内容を同一のものにしたり、パソコン内のデータとネットワーク上のデータを同時に最新のバージョンに更新する機能)がスピーディーなこと

更新機能にタイムラグがないか、しばらく試用してその動作を確認してから本格的に使うようにしましょう。



・自宅や会社などの自分が使いたい場所、機器などで、そのサービスがきちんと動くかを試す



これらは、本格的に使い始める前に確かめておきたい点です」



ではここで、大島先生が試用した中でお勧めのネットストレージを挙げていただきましょう。



1)DropBox(ドロップボックス)



特徴 同期がスピーディーで、始めの設定さえしておけば、DropBoxを導入したすべてのパソコンで最新のファイルが使える。また、削除や上書きをしたデータを復元できたりと多彩に活用できる。



短所 無料で使える容量が2GBまで(ユーザー紹介による容量ボーナスあり)。有料版がほかのサービスと比べて割高。



2)Yahoo!(ヤフー) ボックス



特徴 無料で5GBの容量を使うことができる。ヤフーオークションの出品などに参加できるプレミア会員(月300円)なら、無料で50GBまで利用できるのは太っ腹。今後、有料だが1,000GBのサービスも予定している。



短所 容量節約機能などが働いて、パソコンの専用フォルダにはリンクファイルで保存される場合も。利用時には自動的にダウンロードされるので操作は必要ないが、ファイルが開くまでに少し待ち時間がある。



3)SugerSync(シュガーシンク)



特徴 専用ソフト「Sugersync」の利用で、フォルダ・ファイル感覚で操作できる。無料で5GBまで使うことができ、有料版で容量をアップしても、DropBoxより割安感あり。



短所 同期のタイミングがずれて、仕事場でアップデートしてあるはずのファイルが、帰宅後に家で使おうとしても反映されていなかった……ということも。試用して問題なければOK。



4)Pogoplug(ポゴプラグ)



特徴「Pogoplug」という小型の機器を買って、そこにインターネット接続とUSB接続のハードディスクをつなげば、その容量分のネットストレージができる。この機器とハードディスクの購入費用が発生するが、安くあげれば1万円少々の出費以外の月々の利用料などは発生しない。ほかのサービスの有料費用と年間で比較すれば割安感があり、大容量化もしやすい。

また、無料で提供される5GBのネットストレージがある。



短所 社内ネットワークなどからの利用では、専用ソフトが使えないケースもあった。購入前に確認が必要。



■無料はお試しのため



なぜ無料でこれらのサービスが提供されているのでしょうか。



「こうしたネットストレージのサービスは、無料版を提供してシステムを試してもらうという目的があります。その上で便利さを分かってもらい、有料サービスに入ってほしい、という考えです。使ってみると本当に便利で、私も有料にして30GB分使っています。



セキュリティーに関しては、現段階では大きな問題は報告されていないので、自分の不注意によるリスクの方が大きいでしょう。



今後、こうしたサービスを利用して不正なファイルの共有が横行した場合、それを防ぐために現在の使いやすい機能が減じられる可能性はあります。



4月末にGoogle(グーグル)がGoogle Drive(グーグルドライブ)、Microsoft (マイクロソフト)がSky Drive(スカイドライブ)でこのサービスに本格参入しました。まだ試用中ですが、容量や使い勝手、利用料など魅力的で期待しています」(大島先生)





カラクリが分かり、ひと安心で自分に合ったサービスを探すことができそうです。無料で必要に応じてファイルを確認、共有できるだけでなく、重要な書類がインターネット上にバックアップされて紛失の心配がないというのはうれしいポイントです。







監修:大島一夫氏。『週刊SPA!』(扶桑社)、『週刊アスキー』(アスキー・メディアワークス 以下同)の創刊を経て、『アスキー・ドットPC』編集長、『月刊アスキー』編集長を歴任。現職は大正大学表現学部教授。『タッチ1秒検索術』(アスキー新書 800円)、『すぐわかる40歳からのiPad』(アスキー・メディアワークス 1,449円)を監修。「おおやまかん」の名前で、『アスキー・ドットPC』誌上で『毎日使えて仕事に役立つタッチ1秒検索術』を連載中。





(岩田なつき/ユンブル)