「注がれたウォッカは一気飲み」がロシア流

海外駐在員ライフ Vol.154

From Russia

ウォッカが主流のロシアでは一気に飲み干すのが礼儀?


■ウォッカを残すと縁起が悪い

こんにちは。シューリックです。今回は、ロシアの文化や生活習慣についてお話しします。

ロシアで最初に驚いたのは、会食の際、乾杯が出席者の数だけ行われるということ。そもそもロシアでは、会食の出席者が順番に乾杯の言葉をひと言述べ、その都度、出席者全員で乾杯をする習慣があるのですが、出席者がかなり多いときも、その習慣は律儀に行います。私が経験したうちでは、多いときで10人が乾杯の言葉を述べたことも。あまりに人数が多いときは、自己申告制になりますが、乾杯が済むまで自分のペースで飲んだり食べたりはできませんから、乾杯以外の飲食はしばらくおあずけに。

私自身が乾杯の言葉を求められることもあります。ロシアの人々は、場数を踏んでいることもあり、詩を引用したり、そのとき話題になっているニュースを取り上げたりと、実に堂々として上手なのですが、私はそういうわけにはいきません。そこで、無理にロシアの人々の真似をしようとはせずに、短い言葉で、ごくシンプルにするようにしています。いわば“日本式”のあいさつとして、認めてもらえているようです。

そしてウォッカは、ショットグラスに注いでもらったら、一気に飲み干すのが礼儀。最近は、ロシアでも欧米化が進み、若い人を中心に、ウォッカだけでなく、ワインやコニャックなども楽しむようになってきているようですが、やはり主流はウォッカ。飲み干さなければならない理由としては、「ウォッカを残すと悪魔も残る」という言い伝えがあり、ウォッカを残すと縁起が悪いと聞いたことがあります。


■冬の外出は完全防寒装備で

ダンス好きなのも、ロシアの人々の特徴。パーティーはもちろん、ダンスフロアのあるレストランなら、ひとたびバヤーン(ロシアの大型アコーディオン)の生演奏がかかるや否や、客が皆立ち上がって踊り始めたりします。寒くて、なかなか娯楽がなかった時代の名残なのかもしれません。

寒さといえば、モスクワの寒さは筋金入りです。なにしろ、1月末〜2月にかけては、マイナス30度を記録することもあるほど。外出する際には、厚手の長いコートや帽子、手袋、マフラーなどの防寒具が欠かせません。女性の“毛皮率”は相当高いのではないでしょうか。ダウンジャケットの人もいますが、それもかなり厚手のものになります。とにかく、風を完全にシャットアウトしないと耐えられないので、帽子も耳あてのついたものが基本。冬は誰もがこうした重装備で街を歩いています。

逆に、家の中はセントラルヒーティングで建物全体を暖めているため、実に快適。基本的にTシャツと短パンで過ごせるほどです。家全体が暖かいので、一時帰国の折には、トイレや浴室に暖房が効いていない日本の家の方が寒く感じてしまいます。ただし、暖房を効かせていると、室内がひどく乾燥するので、暖房の季節は唇がカサカサになってしまいます。

また、モスクワは、北緯55度と緯度が高いため、冬は一日中ほとんど暗い中で過ごさねばなりません。9時に出社するときもまだ夜のように暗く、10時にようやく明るくなってきて、16時にはまた暗くなり始めます。反対に、夏は朝の5時ごろから明るく、23時過ぎまで明るいまま。そのため、遅くまで公園を散歩する人の姿も見られます。短い夏を楽しむために、ロシアでは、ごく普通の所得階層の人でも「ダーチャ」と呼ばれる小屋のような別荘を郊外に所有し、夏休みは2週間まるまるダーチャで過ごしたりもするそう。裕福な人々は、さらに大きな別荘に滞在したり、海外旅行に出たりしているようですね。

次回は、モスクワでの生活についてお話しします。