中国共産党中央軍事委員会の機関紙「解放軍報」は2日付で、フィリピンが米国から購入したハミルトン級巡視船について「レーダーははずされ、ミサイルなどの武器もない」などと酷評した。

 ハミルトン級巡視船は米国の沿岸警備隊で、主に1960年代後半から70年前半にかけて活躍した。ディーゼルエンジン2基のほかガスタービンエンジン2基も搭載しており、最高速力は29ノット(時速約53.7キロメートル)だ。艦首に76ミリ速射砲などを供えており、ある程度の対空戦闘力もある。

 しかし、米側はフィリピンへの売却にあたり、レーダーを取り外した。同艦はミサイルも装備していない。そのため、解放軍報は「レーダーははずされ、ミサイルなどの武器もない」、「目もなく、げんこつには力がない」などと酷評した。

 記事は、「軍艦が現役で活躍するのは通常30年前後で、長くとも35年程度まで」と指摘。ハミルトン級巡視船は就役から45年が経過しているため「設計も古く、鋼材などが極限にまで老朽化している」と主張した。

 フィリピンが購入したハミルトン級巡視船は米国内でエンジンの取り換えを含む換装作業を行っている。解放軍報は「米軍のこれまでの武器売却の習慣からいって、換装してもフィリピンが“うれしい驚き”をすることは、あまりないだろう」との見方を示した。(編集担当:如月隼人)