しばしば日本は「おもてなしの国」と言われ、日本人ならではのホスピタリティの精神を活かしたサービス産業が高く評価されています。この「おもてなし」という言葉のルーツは、日本の伝統文化の一つ「茶道」にあるのだそうです。かの有名な千利休が、茶道を志す者の心得として「しつらえ」と「もてなし」を基本とした教えを説いていることからも、それはうかがい知ることができます。私たち日本人の血には、この「おもてなしの精神」が脈々と受け継がれているのかもしれません。

 しかし、誰かを思いやり、心を配るには、周りを見つめることができ、相手の立場に立てる余裕が必要です。人付き合い、それに仕事でもそれは言えること。「おもてなし」は単にマニュアルに則った作業の中では実現し得ないものなのです。

 書籍『なぜ、あの人の周りに人が集まるのか?』は、その「おもてなし」の大切さがひしひしと伝わってくるビジネス小説。ヒロインは、潰れかけのコンビニ店で働く副店長。近くにライバル店ができ、お店の売上げも急降下。頭を抱えていた時に、ふと現れたのが67歳のアルバイトのオバチャンでした。オバチャンは、勤務中にも関わらずたびたびトイレに行ってしまうし、せっかくのマニュアルも無視。しかし、かなりおせっかい焼きの彼女は、お客さんの心をどんどん掴んでいきます。

 同書はオバチャンのちょっとした気配りや、おせっかいという名の「親切」が仕事をはじめ、人望、お金などすべてにおいて大切なことだと気づかせてくれます。日本人ならではの「おもてなしの精神」、改めてオバチャンから学んでみてはいかがでしょうか。

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『なぜ、あの人の周りに人が集まるのか?』
 著者:志賀内 泰弘
 出版社:PHP研究所
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