仕事が楽しくない理由は何でしょうか。給料が安いから、自分のスキルが足りないから、モチベーションが上がらないから......などなど、その人の立場によってさまざまでしょう。新人ならば「とにかく働け!」と叱責すれば済む問題かもしれませんが、例えば入社10年目の中堅社員ともなると事情は複雑です。

 2012年に東証マザーズに上場したライフネット生命保険副社長の岩瀬大輔さんは、ビジネスパーソンからよく、「あの上司は現場のことがよく分かっていない。考えていることが理解できない。どうすればいいんでしょうか?」という相談をされるそうです。著書『入社10年目の羅針盤』(PHP研究所)で明かしています。

 入社10年目ともなると、それまでの新人扱いは終わり、中間管理職として現場と上司との板挟みにあうこともしばしば。それだけに、「仕事がつまらないなあ......」とため息混じりにつぶやくことだって増えるでしょう。

 彼らの悩みの背景には、「社内コミュニケーションが上手くいっていない」というストレスがあります。コミュニケーション不全が起きている環境では、気持ちよく働くことは難しいもの。そのうち、会社に行くのも億劫になってしまうかもしれません。

 こうした相談に対し、岩瀬さんはハーバード・ビジネス・スクールの授業で教わった"Managing Your Boss"という言葉を引用し、「上司を責めるのではなく、上司を上手にマネージする方法を考えるべき」とアドバイスしているそうです。その意味とは何か。

 岩瀬さんによると、仮に上司が自分にとって嫌な人間であっても、1つだけ確実に言えることがあります。それは「上司は上司である以上、仕事については自分よりもたくさんのことを知っている」という点。そもそも、能力が上司を上回ると自負できるような部下であれば、自分をもっと評価してくれる会社に転職するか、独立してしまうべき。心のどこかで、上司は「自分よりも仕事に詳しい」と認めているからこそ、上司とのコミュニケーションに悩んでしまうのです。

 「では、どうマネージすればよいか。僕は、『借りる力』を持つことではないかと思います。仕事というのは、いかに他人の力を借りて進められるかということが重要なのです」(岩瀬さん)

 仕事には、どこまでいっても「自分にできる仕事」と「自分にできない仕事」の2つしかなく、できないことはほかの人にやってもらうしかありません。そして、他人の力を借りるなら、自分より仕事に詳しい"上司"を頼ったほうが効率的ですし、頼られた上司のほうも、悪い気はしないものです。

 大事なのは、上司を嫌な人間だと思っても、敬意を持って正面から「向き合う」こと。つまらないと思っている仕事を楽しくするために、まず上司との付き合いからから見直してみてはいかがでしょうか。




『入社10年目の羅針盤』
 著者:岩瀬 大輔
 出版社:PHP研究所
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