日本の伝統菓子・煎餅の特徴といえば、「堅くてパリッ」の食感だが、実は、今や外国人の間で煎餅といえば、「柿の種」などで有名な米菓大手・亀田製菓の販売する「ソフトサラダ」なのだという。同商品は1970年に発売されたロングセラー商品。当時は珍しかったサラダ油を絡め、サクサク感のあるソフトな食感を出したことが商品名の由来だ。

 それが近年、外国人観光客の間で「柔らかくて口溶けがいい。欧米の菓子と比べて低カロリー」と人気となり、「日本土産の定番」になっているのだ。

「おかげさまで外国の方から好評をいただいております。海外への出荷が増えていることを受け、米国に子会社の『KAMEDA USA』を設立し、昨年からは現地での販売も始めています」(亀田製菓広報担当者)

 が、東京・浅草で創業99年の老舗『日乃出煎餅』の四代目・真下雅義店長はこう語る。

「手焼き作業を見て“ファンタスティック”と喜ぶけど、買っていく外国人はほとんどいない。最近は日本の若い人も“堅い”といって煎餅を敬遠する。好みの変化はわかるけど、どうも最近は“うまい=柔らかい”になっているのが残念。日本の食文化が壊されていくようで何だか寂しいねェ」

※週刊ポスト2012年7月6日号