2008年に東京・秋葉原で発生した無差別殺傷事件から6月8日で丸4年を迎えた。現場となった交差点には千羽鶴や花束が供えられ、手を合わせてゆく人もチラホラ。
 この事件で7人を殺害し、10人に重軽傷を負わせ、休日の歩行者天国を一瞬で地獄へと変えた元派遣社員の加藤智大被告(29)には昨年3月、東京地裁で死刑が下されている。
 そして、丸4年を迎える直前の6月4日、東京高裁で控訴審初公判が開かれた。

 この日、再び加藤被告が法廷に立つのでは、と裁判所に集まった傍聴希望者は100人を超えた。事件から4年が経つというのに、いまだに人気は衰えていないようだ。
 「法廷には、あの“整形逃亡男”市橋達也の裁判でも見かけた市橋ギャルがいました。女子大生のような、ゆるふわ系の茶髪に、ふわっとした生地の短いスカート。数名で固まり、なんだか落ち着きのない様子でしたね。この女性たちは一審でも見かけましたが、加藤被告が一度微笑んだとき、彼女たちも喜んで顔を見合わせて笑ったりしていたのが印象的でした」(社会部記者)

 しかし、そんな加藤ファンらの盛り上がりをあざ笑うかのように、加藤被告は法廷に姿を見せなかった。控訴審では被告人が出頭しなくてもよいのである。これには特別傍聴席で控訴審を見守っていた10人近い遺族や被害者らも落胆していたが、加藤ファンらも落胆を隠せない様子だ。
 「頭を左右に動かして加藤被告の様子をチェックするファンが多いのですが、この日は微動だにせず傍聴してて『残念だった』なんて声も聞こえました」(同)

 公判では弁護側が、完全責任能力を認めた一審判決に事実誤認があると主張し精神鑑定を求めたが却下された。次回は一審と同様、遺族や被害者らの意見陳述が行われるというが、加藤被告不在の法廷で陳述する事にどれほどの意味があるのだろうか…。ファンも被害者も気持ちの行き場がない控訴審であった。