【世界最強ピザの旅】イタリア・ナポリ『Pizzeria da Michele』(ミケーレ)のピザ

写真拡大

ナポリの小さなピッツェリア(ピザ専門の大衆食堂)が、唯一の支店を東京・恵比寿に開店させたのをご存知だろうか? そのお店は『Pizzeria da Michele』(ピッツェリア ダ ミケーレ)。

ナポリで一番美味しいといわれているピッツェリアでありながら、あまりにも個人経営的な『Michele』は、東京に支店を出すような雰囲気の店ではない。

日本企業が『Michele』を説得して契約をし、「伝統」と「人気」を得て日本で営業している……と推測する。企業としてはうまいやり方で、今後はそういう「チープだけど伝統や人気がある店探し」をする日本企業が増えるのではないかと思われる。
 
・ナポリ本店はまったく恵比寿支店と雰囲気が違う
セレブでオシャレな雰囲気の恵比寿支店でピザを食べて感激し、ナポリの『Michele』に行ったセレブがいるとすれば、その雰囲気にガッカリするかもしれない。しかし、食に鋭い人であれば店に入っただけで美味しいピザであることを確信するだろう。

日本のラーメン屋で「汚い店ほど美味しい」と言っている人がいるが、それに近いものがある。『Michele』は汚いわけではないが内装や雰囲気に気を使っていないのだ。そのぶん、ピザの味に入魂しているのではないだろうか。
 
・恵比寿店とは違うピザの生地
メインのピザはマルゲリータとマリナーラで、ダブルモッツァレラというオプション的な注文もできる。マルゲリータの味は恵比寿支店と大きな違いはないものの、生地の弾力と表面のザラつきがナポリ本店のほうが上だ。

恵比寿支店は材料をイタリアから取り寄せているらしいが、職人の腕だけは違いが出てしまうようだ。また、気候の違いも仕上がりに関係しているだろう。職人の腕が良いのか悪いのかは別として、私はナポリ本店の生地のほうが好きだ。噛むとギュギューッと歯ごたえのある生地が食べていて非常に「幸せ」を感じさせるのだ。
 
・マリナーラは本店と支店で別物と思っていい
とはいえ、恵比寿店のマルゲリータはナポリ本店と酷似した風味を保っているし、どちらも美味しいピザに違いはない。東京のそこらへんのピザ屋よりダントツで『ミケーレ』は美味しい部類に入るだろう。

しかし、恵比寿店のマリナーラだけは感心できない。マリナーラだけは、ナポリ本店と恵比寿支店で致命的な大きな違いがあるのである。それは塩分だ。恵比寿店のマリナーラは塩分が強いのだ。根本にある味は同じ系統といえるが、塩分に関しては別物である。
 
・塩分があることを忘れさせるほどマイルドでやさしい
イタリア料理は塩分が強いものが多々ある。ピザもパスタも、しょっぱいと感じるほど塩分が強いことがあるのだ。しかしそれは地域の食文化によって違うものであり、ウマイとかマズイの評価基準とはならない(もちろん個人的な好き嫌いはあると思うが)。

だが、ナポリ本店のマリナーラは「塩分をのまったく感じさせずマイルドでやさしい」のである。トマトの風味によって主となる味を出しているのだ。ほのかな塩分がトマトソースの純粋な酸味と合わさって生地の香ばしいウマミを引き立てている。しょっぱい恵比寿支店のマリナーラとは別物なのだ。
 
・本当の『Michele』のマリナーラを食べたい人はナポリへ
当初、私はナポリ本店と同じ「しょっぱさ」を恵比寿店の職人が再現しているのかと思っていたが、違ったようだ。味の違いは食文化の違いであり、さらに「ナポリの味をそのまま東京で再現」ということだったので塩分の強さを「恵比寿店の評価基準」としなかったが、ナポリ本店と味が違うのであれは話は別だ。

本当の『Michele』のマリナーラを食べたい人は、どうやらナポリまで行くしかないようである。私(筆者)にマリナーラを作った恵比寿店の職人が「その日だけ塩を多く入れすぎただけ」ならばブレとして許せるのだが……。

ケチョンケチョンに恵比寿店をけなしているように思えるかもしれないが、ここで言いたいことは「『Michele』の看板を掲げるのであれば本店の味を出すのは最低条件」ということであり、決して恵比寿店がマズイというわけではない。どちらも美味しいが、現状では「別物」ということだ。

Correspondent: Kuzo


この記事の動画を見る