その顔つきは、いつもと同じだった。イタリア代表とマンチェスター・シティのサポーターを熱狂させる「バッドボーイ」のそれだ。FWマリオ・バロテッリは28日、EURO2012準決勝のドイツ戦でドッピエッタを記録し、新たなイタリアのヒーローとなった。

イタリア代表で13試合出場4ゴールとなったバロテッリは、ファイナル進出を決めて次のように話している。

「人生最高の夜だったよ。でも、日曜の夜はもっと素晴らしいものになることを願っている。勝ちたいね。自分のプレーが悪いかどうかなんて、重要じゃないよ」

試合前には母親や友人と抱擁をかわしたバロテッリだが、試合では1点目を挙げて堂々と喜ぶと、2点目を決めたときにはユニフォームを脱ぎ、その彫刻のような見事な肉体を見せつけた。

「この瞬間をずっと待っていた。母もそれなりの年齢だけど、ここまで来てくれたんだ。ファイナルには父も来るだろう。2ゴールじゃなく、4ゴール決めたいね。得点王? もっとゴールを決められるようにトライするよ」

「(アントニオ・)カッサーノ? ファンタスティックなアシストだった。ああいうのができるのは彼だけさ。喜んだ? みんなが抱きついてきたのは、オレの体を見て嫉妬したからさ。交代? 足がつっていたんだ。フィジカル的に疲れていた。監督には交代を5分待ってくれと言ってあったんだけど、もう準備がされていたから、これでOKさ」

次は決勝のスペイン戦。イタリアは再び、新たなヒーローに素晴らしい活躍を求めることになる。

「冷静にならなければいけない。彼らは素晴らしいポゼッションをする。でも、オレたちも自分たちのサッカーをしなければならない」

現時点でセリエAに戻ることがないことを認め(「今はない。イングランドに残る。シティのサポーターはオレのことを好きでいてくれているんだ。オレがイングランドを倒したのにね」)、バロテッリは喜びに沸くサポーターに、次のように約束した。

「オレも日曜にお祝いに加わりたい」

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