専門医が教える。果物はスイーツよりカロリーが低い?




「ダイエットがしたいのに、甘いものがやめられない。果物なら、ケーキやスナック菓子よりはよさそう……」。そんな印象がありますが、本当のところはどうなのでしょうか。



糖尿病専門医で、日々クリニックの現場で食事指導を行っている福田正博(ふくだ・まさひろ)先生にお話を伺いました。



■果物のカロリーは、スイーツの半分以下



果物とスイーツのカロリーの差について、福田先生はこう説明します。



「ケーキやスナック菓子などのスイーツは、油脂を使用しているものがほとんどです。それゆえに、少量でもカロリーが高くなります。



果物は食物繊維や水分をたくさん含んでいるので、スイーツと同じ重量を食べたとしても、カロリー摂取量は低くなります。



例えば、バナナ1本(120グラムとして)は約100キロカロリーですが、イチゴのショートケーキ120グラムなら、約300キロカロリーになります」



それはかなりの差です。では、果物とスイーツに含まれる糖分、甘味そのものの質はどう違うのでしょうか。果物は自然の産物なので、糖分の質も良いように思います。



「スイーツの甘みの原材料は、さとうきびやさとうだいこん、じゃがいも、さつまいもなどの植物からできていますので、甘みの質は果物とほぼ同じです」と福田先生。



ただし、果物の利点として、福田先生はこう強調します。

「生の果物には、ビタミン・ミネラル・ポリフェノール類が多く含まれています。

体の新陳代謝にはビタミン・ミネラルが必要です。また、細胞の抗酸化効果が期待できるビタミン・ポリフェノール類が効率よく摂(と)れるという点でも、果物は優れています。

そこが、スイーツやスナック菓子との違いです」



リンゴ、バナナ、グレープフルーツはよく、ダイエットに効果あり、と言われます。効果はどうなのでしょうか。



「生の果物は、新陳代謝をスムーズにするためのビタミン・ミネラルが豊富ですが、よく話題になっている、○○だけダイエットなど、一種のフルーツに限るという方法は間違っています。栄養バランスが偏ってしまうからです。栄養バランスを整えながら、カロリーを控えることがダイエットの成功につながります」(福田先生)



ダイエットを意識する人が「甘いものが欲しくなれば、スナック菓子より果物にする」と考えるのは正しいのでしょうか。



「菓子よりカロリーを控えられる点で正しいです。が、おやつとしてお勧めするのは、『果物を適量』ということです。



食べ過ぎてしまわない、『適量』が大事なんです。健康な方の目安として、1日に約200グラムまで、と考えてください。バナナなら2本まで、です。



夜に果物を食べると、太りやすくなります。また、メロンや桃、柿などの甘味の強いフルーツは、食べ過ぎないように気をつけましょう。それに、果物の甘い缶詰は、加工してあるので『菓子』だと考えてください。



その適量を、『朝〜昼過ぎ』までに、遅くとも15時までに食べるようにしましょう」



ここで福田先生は、次のアドバイスをつけ足します。



「スナック菓子を含む、ケーキやおまんじゅうなどの嗜好(しこう)品はできるだけ避けるか、片方の手のひらに載る分量までにしましょう。



また、果物でも、ドライフルーツは糖分がギュッと濃縮されていますので、生のフルーツと同じように考えてはいけません。



干しブドウ15粒(約150グラム)は約80キロカロリーですが、生のブドウ15粒(約10グラム)は約30キロカロリーになります。乾燥している分、栄養価は高いのですが、水分が減っていて食べやすいので、食べ過ぎるとあっという間に糖分のとり過ぎになり、体重、体脂肪ともアップします」



同じ甘いものでも、自然の産物の果物は、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で、「お通じにもいいのがスイーツとは違うところ」(福田先生)というメリットもあるそうです。甘味が欲しくなれば、まずはこれらのことを思い出すようにしましょう。







監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書 780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書 756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則 「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス  1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。





(海野愛子/ユンブル)