「将来への不安」から心を落ち着かせる方法

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 将来への不安はどんな人にもあるはずです。
 特に、経済状況が思わしくなく、先行きの見えない時代といわれる現代ですから、今の会社のまま働き続けていいのだろうか?転職したいけど、自分を採用する会社なんてあるだろうか?と、これからの仕事や働き方について不安を抱えている人は多いはず。
 私たちは、未来への不安とどう向き合っていけばいいのでしょうか?
 今回は『「不安」がなくなる働き方』(フォレスト出版)の著者、坂本章紀さんにお話を伺ってきました。

―本書『「不安」がなくなる働き方』は、先行きの見えない時代に生きるビジネスパーソンたちが抱える「不安」にフォーカスした内容となっています。今回このような内容の本を書こうと思ったきっかけがありましたら教えてください。

坂本「“きっかけ”というか、むしろこの本を作ろうと思った“動機”に近いのですが、今まで沢山のビジネスパーソンを見てきました。何かしらの悩みを抱えた状態で彼ら彼女らは私と会うのですが、どの人もみんな素晴らしく、とっても良いもの(資質や可能性)を持っているのです。もしくは、もの凄く頑張っているのです。
でも充実していない。職場や仕事に不満を抱えている。
「みんなそれぞれ一生懸命なのに、頑張っているのに、それなりに努力しているのに、どうして報われないのだろう。どうして充実した日々を送れないのだろう」という憤りに近い想いが、この本を作る上で根底にありました。
そして、直接のきっかけとなったのは、私自身の「独立」です。自ら選んだ独立という道ですが、想像以上に「不安」が襲ってきました。
当初は、あまり考えないようにしていたのですが、それでは不安は増殖するばかり。自分が抱えている不安に対して、“逃げずに真正面から向き合ったこと”が直接のきっかけですね」

―本書にあるように、不安には様々な種類がありますが、働きながら不安を持ってしまう人と、そうでない人にはどのような違いがあるのでしょうか。

坂本「ズバリ、物事の“捉え方”ですね。同じものを見ても、捉え方は人それぞれです。
使い古された例ですが、飲んで半分無くなってしまったコップの水を、「もう半分しかない」と捉える人もいれば、「まだ半分残っている」と捉える人もいます。
上司から沢山のお叱りを受けた際に、「口うるさい上司だな。ウザい!」と捉える人もいますし、「本気で自分のことを心配してくれている愛情あふれる人だ。ありがたい!」と捉える人もいます。
まさにこの違いですね。
今挙げた例ですと、前者(物事を「ネガティブ」に捉える傾向が強い人)の方が不安を感じやすいですね。他にも、「他人」と「自分」で「他人」に視点が行く人や、「過去」と「未来」で「過去」に重きを置く人など、不安を持ちやすい人の傾向は幾つかあります」

―不況だったり、それによる雇用の減少であったりといった今の状況を見ていると、将来に不安を感じる方がむしろ正常だという気もします。働く人たちは、こういった社会状況から来る不安とどのように向き合っていけばいいのでしょうか。

坂本「おっしゃる通りだと思います。不安があって当たり前ですよね。「不安が全くない」なんて状態は恐らくないでしょう。
ただ、その漠とした不安の塊の中に、“不必要な不安”も結構あるのです。自分自身をちょっと変えることで解消出来たり、捉え方をちょっと変えるだけで悩まずに済むような不安です。
目の前に広がるどんより曇った不安の雲の中から、そういった不必要な不安を解消してもらいたいのです。
また、不安によって本来得られる機会や成果を損失しないで欲しいとも思います。
不必要な不安を沢山抱えてしまい、必要以上にもがき、悩んでいるうちに、本来なら得られたはずのチャンスに気付けなかったり、本来なら手にしたはずの結果を取りこぼしている人は少なくありません。
不必要な不安(「捉え方」や「自分自身の有り方」を変えることで払拭できる不安)を解消して、得るべき機会や成果をしっかりと手にして、自分の進むべき道を進んでいただきたく思います」

―ビジネスパーソンの方によくある不安として「今の会社でずっと働いていていいんだろうか?」というものです。こういった不安を持つ人は、今の仕事に特別な不満があるわけではなく、他人がキャリアアップしているのを見て焦っているのだと思われますが、このような「自分のことよりも他人が気になってしまう」人たちは、どうすれば不安から解放されるのでしょうか。

坂本「これはまさに本書に書かれています。従って、詳しくは本書を読んでいただければと思いますが、ポイントは先程にもちょっと出ました“「他人」から「自分」へ視点を移すこと”ですね。
是非、「他人を気にするのではなく、自分を気にして下さい!」と言いたいのですが、そうはいっても、気になるものは気になりますよね。
そこで、私が主張しているのは「思いっきり他人を気にして、比べてみよう」ということです。そして、「どうせ比べるなら、徹底的に比べて下さい」ということです。気になる相手と自分を徹底的に比較して下さい。何が同じで、何が違うのか?仕事の成果はもちろんのこと、その成果を出すプロセスも、そもそものスタート地点も、最終的に目指すところも、仕事の環境も、周囲のメンバーも、持っている能力も知識も、それを育んできたバックグラウウドも、全て比較してみて下さい。
そうすると、まさに自分と他人は「全く違う存在である」ことに気付くかと思います。
徹底的に他人と比べてはじめて、他人と比べることがナンセンスであることを実感します。そうすることで、「自分自身」にフォーカスすることが出来るのです」

後編につづく