ヘレス・デ・ラ・フロンテーラに立つ創業者マヌエル・マリア・ゴンザレス・アンヘル氏の像。

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あと1カ月も経てば、いよいよ夏本番。これからの季節にオススメしたいお酒といえばスペインで造られるワイン、シェリー。すでに夏真っ盛りの南スペインから、シェリーの魅力をお伝えします。

シェリーはアンダルシア地方に位置する3つの町、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、プエルト・デ・ラ・サンタ・マリア、サンルカール・デ・バラメーダをつなぐ三角地帯で生産される。ここで広がる石灰質の土壌がシェリーを特徴づけるブドウの元になる。

訪れたのはヘレス・デ・ラ・フロンテーラにあるゴンザレス・ビアス社。シェリーのブランド、ティオ・ペペを製造するスペインでも有名な大規模生産者の一つだ。スペイン王室御用達のワイナリーであり、初めてシェリーを醸造した造り手としても知られている。同社によれば、ワイナリーには多くの有名人が訪れており、英エリザベス女王や英チャーチル元首相、英サッチャー元首相、画家ピカソなどそうそうたるメンバー。蔵の中には、彼らのサインが樽に入れられ並んでいた。

同社はスペインを代表するワイナリーだけに輸出している国も多数。敷地内には取引のある国を記したワイン樽も展示されている。日本でもティオ・ペペという名は知られているし『探偵物語』で松田優作さん演じる工藤俊作も飲んでいる。必ずや日本国旗もあるに違いない……と探したら、ありました! 実際、どれくらいの量のシェリー含む酒精強化ワインが、日本に輸入されているのだろうか。日本関税協会によれば、2011年におけるスペインからの輸入量はポルトガルに次いで第2位。一方で、スティル・ワインはフランス、イタリア、チリに続き第4位、スパークリング・ワインはフランスに次いで第2位に多く輸入されているそうだ。

ちなみに酒精強化ワインというのは、その名の通り醸造過程において、蒸留して造られたグレープ・スピリッツを加え生産したワインのこと。代表的な種類としては、15度以上まで酒精強化された辛口でフレッシュな味わいのフィノ、17度以上まで酒精強化されたオロロソなどがある。すっきりしたドライなものからデザートワインとして楽しめる甘口のものまである。当然ながらスペイン料理と相性抜群。シェリーは日本でも手軽に飲めるので、今夏は小皿に盛られたスペイン版おつまみ、タパス傍らにラテン気分で乾杯してみては。ヒマワリ咲き誇るアンダルシアの夏に包まれます。
(加藤亨延)