[其ノ三 注目商品:教育資金対決編]裏ワザ使って 学資保険の逆転勝利
教育資金目的で注目されている「低解約返戻金型保険」。一定期間の解約返戻金を抑えることで貯蓄機能を強化した保険は学資保険より断然有利?


戻り率がよく、死亡保険金もある「低解約返戻金型保険」

子供が生まれたら郵便局の「学資保険」に加入して教育資金を積み立てる―。これは、かつての高金利時代には当たり前の行動でした。ところが低金利が長らく続く現在、「低解約返戻金型保険」を教育資金目的で利用する方法が注目されています。

教育資金の目標額は、大学入学時に200万〜250万円といわれています。この金額を積立預金で貯めてもいいのですが、かつて多くの人が学資保険を選んだのは、「払込保険料総額よりも満期金のほうが高いという貯蓄機能に加え、契約者である親が死亡した場合はそれ以降の保険料支払いが免除になり、被保険者である子供が死亡した場合は死亡保険金が受け取れるという保険機能を兼ね備えていたからです」

と解説してくれたのは、今回の対決立会人で保険に詳しいファイナンシャル・プランナーの中村宏さんです。

「ところが低金利時代になって学資保険の貯蓄機能が低下し、払込保険料総額よりも受け取る保険金のほうが低いという元本割れが発生。子供の死亡保険金の部分がコスト高となり、貯蓄機能を失わせてしまっています。そこで、今ではこの死亡保険金をなくしたタイプの学資保険が出てきています」

一方の低解約返戻金型保険は、保険を解約したときに払い戻される解約返戻金を、当初一定期間(低解約返戻金期間)70%程度に低く抑える代わりに、保険料を割安にした生命保険です。

保障が一生涯続く終身保険と、一定期間で満了する定期保険があります。教育資金目的で加入するときは、低解約返戻金期間が過ぎた後に中途解約して解約返戻金を教育資金に充てることができるように設計します。

ここで下の表を見てください。かんぽ生命の「新学資保険」と三井住友海上あいおい生命の「低解約返戻金型定期保険」の対決では、保険料払込期間を0歳児が大学入学年齢に達するまでの18年にそろえて、月払い保険料を1万円前後に設定しました。

「問題なのは戻り率」と中村さんは指摘します。新学資保険は払込保険料総額200万160円に対して、満期金は200万円。つまり、約200万円貯めて200万円戻るので、戻り率は100%です。この商品は貯蓄機能が働かず、保険機能だけが生きています。

一方の低解約返戻金型定期保険は払込保険料総額220万608円に対し解約返戻金244万6000円。戻り率は111.2%。さらに契約者が死亡すると400万円の死亡保険金が受け取れます。どう見ても低解約返戻金型保険のほうが有利です。

学資保険の戻り率を上げる "裏ワザ" 公開!

今回の勝負は低解約返戻金型保険に軍配を上げたいところですが、中村さんは「学資保険の戻り率を上げる方法があるんです」と "物言い" をつけました。

「新学資保険」の代わりにアフラック(アメリカンファミリー生命)の「夢みるこどもの学資保険」を利用して、保険料払込期間を10歳に達するまでの10年間(10歳払い済み)にすると、戻り率は119.8%にアップ! 学資保険の逆転勝利です。

「月払い保険料が1万6696円に上がりますが、家計に余裕のある人にはオススメの方法ですね。ただし、アフラックの商品はお金の受け取り方法が独特です」

高校入学時(実際には年齢で判定、以下同)に学資一時金を受け取り、大学入学時から卒業までの4年間に4回の学資年金を受け取るのです。学資年金を一時金としてまとめて受け取る場合には、受取総額は多少減ります。

なお、今回の対決では契約者を父としていますが、男性よりも女性のほうが死亡率が低いことから母を契約者にすると、戻り率がわずかながら高くなることがあるのも覚えておきましょう。



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【今月の対決立会人】中村 宏(HIROSHI NAKAMURA)
ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後、ベネッセコーポレーション入社。2003年、FPオフィスワーク・ワークスを設立し、個人相談、セミナー講師、執筆などで活躍中。


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この記事は「WEBネットマネー2012年7月号」に掲載されたものです。