“猫”がきっかけになってボクサーからマンガ家に転身?

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 世界チャンピオンを目指していたプロボクサーがマンガ家へ転身。そのマンガ家への道を開いてくれたのは、2匹の猫だった!?

 『猫なんかよんでもこない。』(杉作/著、実業之日本社/刊)は、本書の著者である杉作氏と2匹の猫の生活が描かれている。
 ゆるゆるで面白いけれど、面白いだけじゃない。ラストは切ない大人の実録猫マンガだ。

 主人公は26歳、プロボクサーの「オレ」。収入はゼロ。マンガ家である兄の部屋に居候し、兄の稼ぎで生きていた。そんなある夜、兄が2匹の猫を拾ってきたことで、猫嫌いの「オレ」とメス猫のチン子とオス猫のクロとの生活が始まる。
 世界チャンピオンを目指すも網膜裂孔と診断され、その道は閉ざされてしまい、本格的なニートとなる「オレ」。その当時の仕事は、兄のマンガの消しゴムかけ、ベタぬり、猫の世話、生活費を銀行から下ろしてくる、というものだった。人生楽勝じゃん。こんな生活がずっと続くと思っていたが、兄は結婚を理由に帰郷してしまい、猫2匹とオレは残されてしまう。

 仕事を探してダンゴ屋でアルバイトをして生活することになる「オレ」。一方、結婚して田舎に帰った兄は、生活に追われマンガが描けなくなっていた。「オレ」はそんな兄からマンガ家になることを勧められる。
 本格的にマンガ家を目指すことになった「オレ」は、時間のとれる健診センターの雑用のアルバイトに変更し、昼は働き、夜はマンガを描く生活を送りはじめる。しかし、ボクシングマンガを賞に出せども落選に次ぐ、落選・・・。30歳を過ぎ、周囲の人に「もうマンガ家目指すのあきらめたら?」と言われるようになっていた頃、猫との生活を描く猫マンガをそのまま描いたら?と思いついた。これが後にマンガ週刊誌に長きにわたり連載されることになる『クロ號』が描かれるきっかけとなった。

 ほのぼのとした猫との生活。猫を飼ったことがある人はわかる、あるあるネタ。クロの去勢をしなかった「オレ」の決断がクロの運命を大きく左右してしまい…? 笑いあり、涙ありの猫マンガだ。
(新刊JP編集部)