「Fate/Zero」ラスボスの“ギルガメッシュ王”って何者?

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 6月23日の放送でいよいよ最終回を迎えるアニメ「Fate/Zero」。
 “前作”にあたる「Fate/stay night」で残された数々の伏線が回収されていくなかで、多くのファンが気になった10年前の聖杯戦争が描かれる本作においても、やはり最後にセイバーの前に立ちはだかったのはギルガメシュ王(作中での呼称は「ギルガメッシュ」)であった。

 そのギルガメシュ王だが、今から約5000年前に実在したのではないかといわれる“伝説上の人物”であることを知っているだろうか。アニメや漫画、ゲーム、音楽などでもモチーフにされることが多いギルガメシュ王とは一体どんな人物だったのか?

 ギルガメシュ王は古代メソポタミア(現在のイラクやシリア)、シュメール初期王朝時代のウルク第1王朝の伝説的な王として知られている。そして、考古学的な資料は発見されていないが、死後神格化され数々の神話や叙事詩にその名を残すことになり、それらが「ギルガメシュ叙事詩」という説話として1つにまとめられて現代に伝わっているのだ。
 『ラピス・ラズリ版 ギルガメシュ王の物語』(司修/画、月本昭男/訳、ぷねうま社/刊)は、12の書板から成るギルガメッシュの叙事詩を、楔形文字などをマンダラのように構成したラピス・ラズリ色の版画とともにつづった一冊。また、巻末には翻訳者である月本氏の解説も収録されている。

 物語の冒頭を少しだけ説明しよう。
 ギルガメシュ王のあまりの暴君ぶりに困惑したウルクの人々は、天空神アヌに困窮を訴える。アヌは荒野で野人のエンキドゥを造らせるが、それを知ったギルガメシュは狩人に聖娼シャムハトのところに連れてゆくよう指示し、シャムハトとの性の交渉によってエンキドゥは人間らしい生を知ることになる。
 シャムハトに連れられてウルクにやってきたエンキドゥはギルガメシュと格闘を演じるが、決着が着かず、かえって固い友情で結ばれる。そして2人は神々が所有する「香柏の森」へと、森の守り手である妖怪フンババを倒しに行くことになる。

 ここまでが第3の書板までのあらすじとなる。
 この物語は前半と後半で大きくその色を変える。月本氏は、フンババを退治するまでの前半の旅と、エンキドゥの死を契機に生の意味を探求する後半の孤独の旅は対照的に描かれていると指摘する。私たちは、その物語の大きな転換の中から「死の問題」や「友情」「神への信仰」「魂の形成」など、さまざま主題を見つけることができるだろう。
 「Fate/Zero」はいよいよクライマックスを迎えるが、そこに出てくるキャラクターのモチーフとなった物語も楽しんでみるのも一興だ。
(新刊JP編集部)