そんな時に役立つのが、「打ち水」です。

庭や道路などの屋外に水を撒く、昔からの日本の風習です。

道路などの埃(ほこり)を抑える効果、場を清める神道的な意味合いもあり、玄関先などへの打ち水は「来客への心遣い」の一つでもあります。

料亭などで打ち水がされているのはそういう理由からです。

でも今回注目したいのは、打ち水の気化熱(水が蒸発するときに周囲から吸収する熱)を利用し、辺りを涼しくする効果。

水1リットルの蒸発で奪われる熱量は、約580kcal。

1?あたり1リットルずつ水が撒かれた場合、気温は2〜2.5℃下がるという試算があります。

かなりの冷却効果ですよね。

とはいえ、打ち水をする際には注意したい事があります。

(1) 打ち水に使う水は飲用水ではない水を使う水道からそのままジャバジャバ水を撒くのは、もったいないです。

お風呂の残り湯や雨水、洗濯のすすぎの水などを利用しましょう。

(2) 朝や夕方の涼しい時間帯に(陽が傾いている間に)行う道路からの照り返しによる暑さ対策には、昼間や日向の打ち水も効果的ではありますが、昼間まだ陽が高いうちに打ち水を行うと、蒸発した水で湿度があがり、余計に暑苦しくなる場合もあります。

(3) 辺りに気をつけて水を撒く水を撒くと道路は滑りやすくなります。

特にマンホールやアスファルトの白線の上などはスリップしやすいので、打ち水は避けます。

また、人や自転車の飛び出しにも気をつけて撒きましょう。

道路だけではなく、エアコンの室外機や壁面、もちろんよしずに打ち水するのも効果的ですよ。

環境を整えるだけではなく、自分の持つ五感をフルに使って涼感を得る方法もあります。

まず寒色をインテリアに使ってみましょう。

カーテンやラグなどを涼しげな色にするだけでも視覚から得る涼感効果が違います。

また、沢山物がある雑然とした部屋より、スッキリと片付いた部屋の方が涼しさを感じられます。

聴覚では涼を感じる音を取り入れます。

ここはやはり「風鈴」でしょう。

風鈴も素材によって音色が違います。

自分のお好みの風鈴を是非今年はみつけてください。

触覚ではシャリ感のある素材の衣服を取り入れます。

麻やクレープ素材といった古くから夏物衣料につかわれてきた素材がオススメです。

氷などを浮かべた料理や、水ようかん、ゼリー、シャーベットなどで味覚からも涼をとりましょう。

そうそう、忘れてならないのが、「かき氷」と「冷やし中華」です。

嗅覚は、「ハッカ」の香りなどどうでしょうか? 薬局で買えるハッカ油がお手軽。

化粧水のボトルへ1滴たらせば、夏用のスースー化粧水になります。

浴槽にも2、3滴。

スースーお風呂ができ上がります(※たらしすぎるとスースーを通り越して寒くなるので要注意)。

自分の暮らしにあった涼感作戦で、エアコンを使う時間を短くし、節電しつつも元気に夏を乗り切りましょう!