人材サービス編

業界トレンドNEWS Vol.134

人材サービス業界を4つに大別すると、人材派遣、人材紹介…あと2つは?


■グローバル人材サービスの強化が焦点に。中小企業と新卒者のマッチングにも注目

人材サービスの業界は、ウェブや雑誌で求人情報を提供し、情報掲載料を得る「人材情報提供サービス」、企業に就職・転職希望者を直接紹介して手数料を得る「人材紹介サービス」、人材サービス企業が顧客企業にスタッフを送り出す「人材派遣」、人材サービス企業が顧客企業から一括して業務を請け負う「業務請負」の4分野に大別できる。複数の業界団体による研究会「人材サービス産業の近未来を考える会」がまとめた『2020年の労働市場と人材サービス産業の役割』では、人材サービス業界の市場規模は約9兆円とされている。

この業界は、景気の波に強い影響を受ける。人手不足になる好況期と、企業の採用数が激減する不況期とでは、各社の業績が大きく変化するのだ。下の表で紹介しているように、有効求人倍率はリーマン・ショックが起きて以来、1.0倍を割り込んだまま。2011年からは上向きに転じているが、それでもまだ低い水準だ。加えて、規制強化という逆風も吹いている。08年以降の不況により、製造業を中心に派遣社員の雇用を取りやめる現象、いわゆる「派遣切り」が起こって社会問題になった。これを受けて政府は、派遣業に対する規制などを盛り込んだ「改正労働者派遣法」を可決、成立。不況による派遣労働者需要の減少と法規制のダブルパンチで、業界としては厳しい状態だ。

そこで各社は、2つの取り組みを進めることで成長を目指している。まず1つ目は、グローバル人材サービスの強化。例えば、パソナグループは韓国、ブラジル、インドネシアで新たに現地法人を開設するなど、海外拠点を12年5月期までに3割増やすと発表。新興国への進出を目指す日本企業向けに、人材の供給や研修システムの提供などを加速するのが狙いだ。一方、リクルートは10年8月から、中国の大学生を日本企業に紹介するサービスを開始。マンパワー・ジャパンは11年11月から、日本での就労を希望する外国人向けの人材紹介サービス「ボーダレスタレントソリューション」を始めた。このように、海外の日系企業に現地の労働者を紹介したり、国内の企業に海外の人材を紹介したりする動きは、今後も盛んになるだろう。

2つ目に挙げられる取り組みは、新卒者と中小企業を結びつけるサービスだ。従来、新卒学生分野では「人材情報提供サービス」が中心で、学生の目に触れる情報量が比較的少ない中堅・中小企業は大企業より注目を集めにくい状況だった。また、新卒の学生は一般に、大企業志向・安定志向が強いとされる。そのため、中堅・中小企業の中には、採用意欲は強いのに応募者が足りないケースも珍しくなかった。こうしたミスマッチを解消するため、新卒学生を中堅・中小企業に直接紹介し、成約した場合に手数料を得る「新卒者向け人材紹介サービス」が、新たな分野として注目されている。

これまで、人材サービス業となじみの薄かった業界に乗り出す企業もある。特に目立つのが、医療・農業・IT・介護といった業界だ。付加価値の高い専門家の紹介サービスを提供することで、業界の活性化や、眠っていた人材ニーズの発掘を目指していると言える。