『KUBANA』というドイツのおもちゃ。立体の“四目並べ”だ。

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我ながらカフェに行くことが多いのだが、その目的が自分でもわからない。きっと雰囲気を楽しみに行ってるんだと思う。そこに流れる、まったりとした時間が好きで。
しかし、そこには必要な物がある。いいお茶、いい椅子、いいテーブル、いいコーヒーカップ……。全てが、雰囲気を形成するかけがえのないアイテムではないだろうか。

そして、この店には“いいおもちゃ”がある。東京都台東区(商業施設「2k540」内)に居を構える「TOIQUE(トイーク)」は、“15歳以下入店不可のおもちゃカフェ”。おもちゃカフェ自体は他でも聞いたことがあるが、ここは15歳以下の入店が禁止されているらしい。
それにしても、どうしてこのようなルールが設定されている? 同カフェ代表の清水さんにお話を伺った。
「今、おもちゃ屋さんは多いですが、大人がじっくり遊べる場所がないんですね。一方、今までは大人向けの場所だった居酒屋やバーに子連れのお客さんが入ってきているという状況があります。だったら逆を作っても……と、考えました」(清水さん)

あと、もう一つ。清水さんには「おもちゃを大人に知ってもらいたい」という思いがある。
「特に日本では『おもちゃは子どものもの』という考えが色濃いですが、おもちゃは本来“子どもから遊べるもの”で、大人が遊んでもいいんです」(清水さん)
親がおもちゃに興味を持ち、それを我が子に買い与える。そしたら、子どもがおもちゃに飽きてポイッと放り捨てたとしても、親がそのおもちゃを手に取って遊ぶ姿を見せつければ大丈夫。子どもは親を見て「楽しそうだな」と、一度捨てたおもちゃに再び食いつくと思うのだ。
また、人には「自分の好きなものを人に薦めたがる」という傾向がある。親が気に入ったものだからこそ、子に遊んでもらいたい! これこそ、正しい姿ではないだろうか?

ただ、嗜好は人それぞれ。皆、一番好きなおもちゃは異なる。それを全部買って試すことはできないだろう。だからこそ、このカフェが“大人がおもちゃで遊ぶ場”として機能するのだ。
「1オーダーで1時間遊ぶことができます。もう1度ドリンク頼むと、もう1時間遊べる……というシステムです」(清水さん)
店内には、特に日本やドイツ、そしてスイスのおもちゃが多く用意されているという。

では、その中でも清水さんお勧めのおもちゃをご紹介してもらった。
まずは、『Daimant(ダイアモンド)』(税込み38,850円)というスイスのおもちゃ。これは計15の部品で組み立てる、いわゆる積み木である。
「簡単にエキゾチックな形を作れるので、インテリアとしてもいいです。『このデザイン、飽きたな』と思ったら、別のデザインにもできますし」(清水さん)

続いては、『Via-J(ヴィア・ジェイ)』(税込み12,600円)なるおもちゃ。
「私、これオススメです。これは、凄い入れたかった」(清水さん)
日本のデザイナーである相沢康夫氏が製作したものなのだが、これもインテリアとして秀逸だ。遊び方は、ビー玉をおもちゃの上部から投入。すると、アクリル板の中を右へ左へ斜め方向に下っていく。アクリルは透明なので、クルクルっとビー玉が軌道を描いて転がる様子が楽しいし、美しい! これ、新居祝いなどにも良いだろうな。

そして3つ目は、『KUBANA(クバナ)』(税込み8,820円)というドイツの対戦ゲーム。
「○×が平面の三目並べなら、これは立体の四目並べです」(清水さん)
青と白のスライム型の駒があり、順番に並べていく。しかもこの駒、上に乗っけて重ねることだってできる。駒を交互に置いていき、上か横か斜めに4つ揃えば勝利だ。
楽しそうだな……。というわけで、実際に清水さんと対戦しました! いざ取り組んでみると、どうもオセロと似た感覚のようで。……なんて分析もそこそこに、あっという間で熱中してしまう。そして流れる、無言の時間。熱気立ち込める、無音の世界。
すると、唐突に時は来た。
「ありがとうございます!」(清水さん)
あら、まさかの勝利宣言? っていうか、どこ!?
「ここが(笑)」(清水さん)
「あっ、ああああああーーーー!」(私)
清水さんが指差す先には、白の駒が縦に4つ積み重なっていた。単純極まりない上がり方じゃないですか! しかし、私はちっとも気付かなかった。自分のことばかり考えていると、こんな負け方をしてしまうんです。所要時間は、約8分。
「ルールはシンプルですし、やり始めると楽しいですよね。色が綺麗なので、やりかけで置いたらインテリアとしてもいいと思います」(清水さん)

そんな同店、カフェなのに皆が熱中して店内が妙にシーンとしてしまう時間もあるという。友達同士でお店に来たのに、会話がなかったり。
「単純なゲームばかりなので、皆さん本気になっていらっしゃいます」(清水さん)
お客さんの年齢層は幅広く、若い方も来れば40〜50代の姿も多く見かけるとのこと。気に入ったおもちゃは遊ぶだけでなく購入することもできるというから、興味のある“大人”は要チェックのカフェです。
(寺西ジャジューカ)