場所や時間に縛られない新しい働き方として注目を集める「ノマド」。オフィスワークに束縛されがちなビジネスマンからすると、自由で魅力的な働き方に思えます。しかし、自由であるからこそ、解決しなければならない悩みもあるようです。

 月間160万PVを誇るブログ「No Second Life」管理人にして、ノマドワーカーの立花岳志さんは著書『ノマドワーカーという生き方』(東洋経済新報社)で、その悩みをこう明かしています。

 「僕は現在、どこの企業とも時間を拘束されるような契約を締結していません。つまり365日24時間が自分の時間なのです。この状態に僕自身ずっと憧れてきましたし、この状態に憧れる方も多いのではないかと思います。ところが、2011年4月に僕自身この状態に自分の身を置いてみて最初に感じたことは、『時間が足りない!』ということでした」

 2011年4月まで、会社員として「1日12時間以上を会社に捧げてきた」という立花さん。退職しノマドになれば、その時間を全て"自分がやりたいこと"に費やせるはずでした。

 「ところが実際に24時間が自分のものとなると、そこには妙に平べったくて無機質な時間が横たわっており、そしてぼんやりしている間に1日は光の速さで過ぎ去ってしまうのです」

 気がつけば、会社員時代よりもブログの更新ペースが落ち、「何をしているのかも良く分からないまま1日が終わってしまう」ことも珍しくなくなりました。会社員であれば、良くも悪くも仕事時間は誰かに管理されます。しかし、たった1人で働くノマドになった瞬間、立花さんは「自己管理」の重要さと難しさを思い知らされることになったのです。

 これは、ノマドに限らず、会社から独立して事業を始める人の誰もがぶつかる壁でしょう。立花さんは、この状態を打破するために次のような対策を立てました。

 よく、ビジネス本などでは「夢に日付を」と指南されています。漠然とした「夢」に「日付」を付けることで、夢を目標に変えるのです。立花さんの方法も、基本的にはこれを踏襲したものですが、その内容はもはや「夢」や「目標」に留まらないほど具体的です。

 立花さんが行ったのは、5カ年目標→年間計画→4半期計画→月次計画......といった、まるで企業の「事業計画」のようなスケジューリングでした。期間が短くなればなるほど、その計画内容は詳細になっていきます。

 例えば、「本を30冊出版して累計部数が300万部を超える」という「夢」があるとします。この実現までに必要な期間を便宜的に「5年」と設定し、これを「5カ年目標」とします。そして、「実現には毎年どんなステップアップが必要か」という「計画」を年間で立てる。すると、「〜年までに初出版」など具体的な目標が見えてきます。あとは、その計画を「4半期」「月次」と、どんどん細かく区切っていくだけです。

 この作業が、「週次」「日次」まで来たときに、立花さんは何ものにも縛られない日々を「平べったくて無機質な時間」という無為な状態から変えることができたそうです。

 「自由」という側面ばかりが注目されがちなノマドですが、自己管理を徹底しているという点において、世のビジネスマンも彼らの知恵に学ぶべきところは多いでしょう。




『ノマドワーカーという生き方』
 著者:立花 岳志
 出版社:東洋経済新報社
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