『城を噛ませた男』

写真拡大

ここ10年、中小企業の再建に携わってきた。死ぬ寸前の会社を生まれ変わらせることは、本当に命懸けだ。弊社は2011年、累損を一掃して借金ゼロ経営に。スローガンを「生き残れ」から「世界に羽ばたけ」に替えた。

いつも念頭にあるのは、部下にどう知恵を絞らせるかだ。乱読を続けるうち、月刊誌連載中の本作に出合った。戦国時代に大国や強者とせめぎ合う中小の城主・弱者たちを扱った短編集。大国にひたすら頭を下げ続ける小国の筆頭家老、北条・秀吉・家康の間を渡り歩く男、秀吉を北条討伐に誘導すべく機略を巡らす真田昌幸等々、しぶとく生き残るための知恵のオンパレードだ。後継者を育てるためのヒントにも満ちている。