抵抗力のない株価? 抵抗力のある日本企業?

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6月4日の日本株式市場では、日経平均株価が8,295.63円(終値)となり、年初来安値を更新したほか、東証株価指数(TOPIX)が695.51(終値)とバブル崩壊後の最安値を更新し、1983年12月14日(696.19)以来、約28年半ぶりに700ポイントを割り込みました。

最近の日本株式の下落は、欧州債務問題への懸念の強まりに加え、欧米をはじめ世界経済の先行き不透明感の台頭、およびそれらに伴なう海外株式の下落や円高の進行といった外部環境の影響を受けているとみられます。

今後、海外景気の悪化や円高の進行が日本企業の業績に与える影響を注視する必要はありますが、現在のところ、日本経済や日本企業の業績など内部要因の悪化が直接的な下落要因ではないと考えられます。

その上、上場企業(※)のうちおよそ半数が2011年度末には借入金がゼロ、または手元資金の額が社債や借入残高を上回る実質無借金となったことが報じられるなど、日本企業が財務内容の改善を進め、事業環境の悪化に対する抵抗力を高めていることが示されました。

加えて、豊富な手元資金や円高を追い風に、成長著しい新興国などへの事業展開を目的として、海外企業に対するM&A(企業の合併・買収)を増加させていることなどを考えると、株価は足元で外部環境に対する抵抗力を示せていないものの、日本企業は業績や財務面を鍛え上げており、外部環境の悪化に対する抵抗力を高めているといえそうです。

足元の株価の下落を受けて、日本企業の利益や資産価値、配当といった観点から見た株価水準には「割安感」が強まっていますが、こうした割安感などに対し冷静な判断がつかないほど、投資家心理は弱気に傾いているとみられます。

しかしながら、過去何度となく起こった危機の最中も日本企業は利益を稼ぐ努力をしてきました。

こうしたことを考えると、そろそろ日本企業の抵抗力に目を向け始めてもいいのではないでしょうか。

(※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

)(2012年6月6日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。

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