少し前に「ヤバい」という言葉だけで会話を成立させる"ヤバい万能論"がネットニュースで話題になりました。もともとは、好ましくない状況を表わす語であった「ヤバい」ですが、最近はおいしい、すてき、かっこいいなど賛美の言葉にも使われていることを指摘し、若者の説明能力の低下を危惧した内容でした。

 言葉は絶えず変化していきます。コミュニケーション能力が低くなることは問題ですが、中高生の頃は、新しい意味の言葉を使いたがるもの。自分の学生時代もそうではなかったでしょうか。

 『スッキリ!!』(日本テレビ系)でも取り上げられていた、『みんなで国語辞典? 辞書に載らない日本語』は、元筑波大学長で、『明鏡国語辞典』の編者でもある北原保雄氏が編著者。中高生が「辞書に載せたい日本語」として応募してきた言葉を収録したのが本書です。

 例えば、テレビの番組で紹介された「純一」。テレビによく出るあの人を想像すると、なんとなく意味がわかりそうですが、ちょっと想像してみてください。

 さて、答えは以下です。

 「純一」は、タレント石田純一さんが語源。意味は、「靴下を履かないこと。また、そういう人」。

 その他にも、「サラダセット」は草食系男子と草食系女子のカップル。お互いに恋愛に消極的な二人。きっとつき合うまでには、相当な時間がかかったのでしょうね。

 「辞書に載せたい日本語」の募集は2005年から。第1回から昨年の第6回までに応募のあった見出し語のベスト10が一覧になっているのですが、興味深い結果が出ています。第1回の1位から3位は順に、「はまる」「微妙」「ありえない」。今や完全に普段使いの言葉として定着しています。07年の1位、2位の「KY」「どんだけー」には懐かしさがあるし、「ググる」がベスト10入りを果たしたのは09年で、「なう」は10年から。普通の辞書には載っていない言葉だからこそ、世相がはっきりと感じられます。

 最後にストレス発散に使えそうなこんな言葉をご紹介しましょう。

 「あの先輩、まじで『はむかつ』なんだけど!」 

 会社の先輩は「はむかつ」が「はー、むかつく」の略だとは知らないはずです。



『みんなで国語辞典? 辞書に載らない日本語』
 著者:北原保雄
 出版社:大修館書店
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