eコマース編

業界トレンドNEWS Vol.133

OtoO、Tコマースの意味は?成長業界を知るキーワードをチェック!


■口コミを利用した顧客誘引、商品拡充などが活発。スマホやテレビを使った取引も増えている

eコマース(電子商取引)とは、インターネットなどのコンピュータシステムを介して商取引を行うこと。楽天市場のように複数のショップを集めて出店者から手数料を得る「モール型」の事業者と、家電量販店・百貨店などの直販サイトに代表される「直販型」の事業者とに大別される。大手サービスとしては、楽天市場、Amazon.co.jp、Yahoo! ショッピングが「3強」とされる。

経済産業省の「平成22年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によれば、2010年の消費者向け(BtoC)eコマースの市場規模は7兆7880億円だった。対前年比の成長率は16.3パーセント。08年の成長率は13.9パーセント、09年は10.0パーセントだったため、成長スピードは一層加速したことになる。11年3月に起こった東日本大震災直後、物流網の崩壊などによって一時は売り上げが低迷したが、現在は以前の水準を回復。今後も、成長が見込める業界だと言えるだろう。

成長業界ゆえに、通信販売事業者、家電量販店、百貨店、スーパーなどさまざまな分野の事業者が参入。激化する競争を勝ち抜くため、各社は競合との差別化を目指す試みを積極的に展開している。例えば、ローソンは11年9月、有機野菜などの宅配サービスを手がけるらでぃっしゅぼーやと合弁会社を設立し、生鮮食品などを販売する新サイト「らでぃっしゅローソンスーパーマーケット」を開設。このように、取扱商品の多角化や販路拡大を目指して提携・買収を行うケースは、今後も十分に起こり得るだろう。

百貨店がeコマースに積極的に取り組む姿勢も目に付く。従来、百貨店がインターネット販売で取り扱う商品は、店頭で取り扱う商品に比べて限定的だった。しかし、近年では各社とも衣料・アクセサリーや食料品を中心にラインナップの拡充に努めている。また、東急百貨店が11年9月、若い世代を取り込もうとしてスマートフォン向けに最適化されたeコマースサイトを開設。12年3月には、大丸松坂屋百貨店が効率化を目指し、それまで大丸と松坂屋で別々に開設していた通販サイトを統合して話題を呼んだ。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と連携する試みは、さらに活発になっている。TwitterやFacebookを使って利用者に告知をしたり、ユーザーの要望を受け付けたりすることはごく普通のことになった。また、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは、運営するSNS「ZOZOPEOPLE」上でつぶやかれたショップ店員やユーザー会員のコメントを、トップページの目立つ場所に表示している。口コミによって顧客を取り込む試みは、今後も研究が進むだろう。

まだまだ成長余地のあるeコマース業界。しかし、人口減少などによって国内市場が頭打ちになることを見越して、大手業者の中には海外展開を目指す企業もある。例えば楽天は、ロシアの大手eコマース事業者「OZON.ru」に出資(11年9月)、ブラジルでインターネットショッピングモール「Rakuten.com.brShopping」をオープン(12年4月)するなど、新興国を中心に積極展開を続けている。海外企業との提携・買収といった動きには、引き続き注目が必要になるだろう。