1週間の始まりは土曜日だった?




「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」



太陽の周りを回る惑星の順番を覚える方法として、子供のころにこのフレーズを暗記した方も多いかと思います。2006年に冥王星が惑星から準惑星に分類変更されたことで、現在では水星から海王星までの8つが太陽系の惑星として定められています。



この中でも、水・金・火・木・土、そして太陽(日)と月の7つを見ると、何となくカレンダーの曜日を連想することはないでしょうか。



そこで、今回は惑星と曜日との関係性について解明していきたいと思います。



■惑星と曜日の関係



冒頭でも書きましたとおり、惑星の並びは太陽に近い方から順に、「水・金・地・火・木・土…」となります。



でも、1週間の曜日は「月・火・水・木・金・土・日」の順番ですね。



曜日はもともと惑星を基準に考えられたものだとされていますが、どうして順番が違うのでしょう。



実は、曜日の決め方は、太陽を中心に惑星がその周りを回っているという現在の「地動説」ではなく、地球の周りを(太陽も含めて)天体が回っていると考える「天動説」に基づいているからなのです。



■天動説で曜日を決める



天動説が唱(とな)えられていた時代、肉眼では太陽と月のほかに、水星・金星・火星・木星・土星の5つの惑星を見ることができました。



古代の人々はこれらの天体が動く早さから、その距離を推測しており、遠い天体ほどゆっくり動くと考えていました。



その考えを元に、これら7つの天体を地球から遠い順に並べると、土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月となります。



そして、彼らはこの順番に1時間ずつ惑星が人々の時間を支配し、守っていると考えていました。



つまり、最初の1時間は土星、次の1時間は木星、といった感じで順に支配しているわけです。

この順番で進むと、1日後=25時間目は太陽となります。



これをさらに繰り返していくと、次のようになります。



 1日目の1時間目…土星

 2日目の1時間目…太陽(日)

 3日目の1時間目…月

 4日目の1時間目…火星

 5日目の1時間目…水星

 6日目の1時間目…木星

 7日目の1時間目…金星

 8日目の1時間目…土星



以降はこの繰り返しとなり、それぞれの日の1時間目が、そのまま曜日の並びとして設定されました。



こうすると、現在の曜日の並びと同じで、土・日・月・火・水・木・金・土…となりますね。



■1週間の始まりは何曜日?



現在、日本やアメリカなど多くの国々では、日曜日から始まると考えるのが一般的とされています。



しかし、1週間の始まりを何曜日とするかについては、誰もが認める決まりはありませんし、実際ヨーロッパの国々では、実用上便利だということで、カレンダーは月曜日から始まっているところも多々あります。



また、先ほどの古代の考え方に基づけば、週の始まりは土曜日になるはずです。



これらの違いはどこから来ているのでしょう。



いくつかの説がありますので、ここでは新約聖書(キリスト教)に基づいた考え方を紹介したいと思います。



というのも、現在、世界の多くの国で採用されている太陽暦の1つ「グレゴリオ暦」はキリスト教の暦をもとにして作られているからです。



キリスト教では、イエス・キリストが復活した日を週の最初の日とすると「ルカ伝」の中に書かれており、それが日曜日だったと言われています。そのため、その日は人々もキリストと一緒に過ごすための休みと定められました。



このような理由から、現在では1週間の始まりを日曜日とし、その日を休みとする国が多いわけです。



■まとめ



今回は太陽系の惑星と曜日との関係性について見てきました。



昔の人々は、地球の周りを回っている惑星をもとに、暦を作っていたということがお分かりいただけたでしょうか。



「天動説」から「地動説」に変わった現在でも、その時代の考え方が生きているなんて、曜日も奥が深いですね。



(文/寺澤光芳)



■著者プロフィール



寺澤光芳。小さいころから自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。