“脱法ハーブ”はどうしてすぐに取り締まることができないのか

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 ここ最近、世間を騒がせている脱法ハーブ。報道では、幻覚作用のある脱法ハーブを吸引・摂取して救急搬送される事件が、昨年の20倍のペースで増えているといわれています。
 大麻が大麻取締法という法律で禁止されているのは常識ですが、こういった合法ハーブ(脱法ハーブ)や合法ドラッグのなかにも、覚醒作用や中毒性などほとんど大麻と同程度の効果を持つものが存在しているようです。

 では、こうした合法ハーブを法律で取り締まることはできないのでしょうか。
 弁護士の間川清さんは『「アレ」はなぜ合法なのか』(経済界/刊)の中で、結論から言ってしまえば、新しい法律を制定しない限りできないことになっているといいます。

 日本の刑法には、「罪刑法定主義」という考え方が採用されています。この言葉は端的に説明をすると、どのような行為が犯罪となって、どのような刑罰が課せられるかについては、事前に法律で決めておかなければ取り締まることはできないということなのです。
 これは極めて重要な考え方で、もし「罪刑法定主義」が認められていないとすると、「このくらいは許されるだろう」と思っていることでも、国から犯罪といわれてしまえば、刑罰を受けなければいけなくなってしまいます。それは、逆に、法律に記されている以外のことをしても、罰を科されることはないので自由であるということも意味しています。

 合法ハーブの場合、“合法”“脱法”と頭につくように、今のところ取り締まる法律はありません。そのため、新しく犯罪と同じように扱うべきだとしても、法律自体を変えなければ、処罰することができないのです。
 法律は国会で審議され、国会の賛成が得られてはじめて成立します。だから、どうして法律制定までには時間がかかります。これは「罪刑法定主義」のデメリットの面であるともいえるでしょう。

 『「アレ」はなぜ合法なのか』では、どうしてプロスポーツ選手が離婚する際の慰謝料はあんなに高いのか、子役タレントは労働法違反か、テレビのやらせは合法か、などなど身近なテーマについて、法律を駆使しながら合法か違法かを解釈していきます。
 ニュースなどを見て「どうして?」と思っていた、そのモヤモヤ一瞬にして解決するかもしれませんよ。
(新刊JP編集部)