放送作家の仕事ってこんな感じ






放送作家というとなにかカッコいい感じを持たれる人が多いでしょうか? 秋元康師匠とかテリー伊藤師匠、あるいは小山薫堂師匠などなど。華々しい活躍をされている方を挙げたらキリがありません。



が、みなさんは大変に誤解しています。これら師匠クラスの人たちは「神」の領域にいる人たちです。実際の放送作家はもっとコツコツした裏方家業なのです。





放送作家はどんな仕事をしているのでしょうか? タレントの側にいてニコニコ笑っている人? 全然違います。

放送作家の誰に聞いてもおそらく答えは同じですが、とにかく台本とナレーション書きです。それに企画会議に出て自分の企画を通すことです。



構成台本を書いて書いて、Vに付けるナレーション原稿を書いて書いてまた書いて、というのが仕事です。テレビ番組、ラジオ番組は1週間に1回放送されます。つまり、週刊誌に連載を持っているのと同じです。書いても書いてもしめきりがやってきます(笑)。



企画会議ではたいていの場合、作家が複数いて企画を出しあいます。このとき負けてはいられません。通った企画がギャラになるのです。



最近では会議もずいぶん短くなりました。面白いものが出るまで帰るんじゃないぞ、というような昔かたぎな企画会議はもうほとんど死滅しました。



なぜかというと経費削減です。タクシー代を出すとか、残業代を出すとか、そういう経費が大変なので、局も長い会議はやめようよみたいな傾向にあるわけです。



もちろん放送作家に残業代が出るわけではありません。局員のみなさんに出す経費が大変ってことですね。トホホ。



放送作家のギャラというのはどのくらいでしょうか? これがもうホントにピンキリです。駆け出しの、まだ実績のなんにもない作家の場合、自分が出した企画が1本採用されたら5,000円とか1万円とか、そんな感じです。



ノーギャラだけど顔を出さなくちゃいけない、なんてこともザラです。



番組1本の構成台本書いて、駆け出し新人作家なら3万スタートぐらい。5万円もらえたらいい方であります。中堅でふたけた万円に乗るぐらいです。



実勢価格8万円からって感じでしょうか。10万円に届いたらラッキーで、15万円までいったらピンです。その上はもう「センセイ」と呼ばれますね。



1週間に1回番組があるとして、その台本のギャラが10万円だとすると、1年間に52週で単純計算で年収520万円。1年間その番組が続けばですが(笑)。1週間にそんな番組がふたつあれば年収1,000万円超え。もちろんそんなウマくいく人は多くありません。



放送作家はあくまで裏方家業です。



撮影の現場に行くかというと、これがまたそんなこともないのです。なぜかというと、作家は現場に行ってもあんまりやることがない。



作家になりたてのころは物珍しさもあって現場に行ったりしますが、みんなそのうち行かなくなります(笑)。現場に居場所がないので。もちろんPに呼ばれて行くときもありますが、そんなことはごくまれです。



つまり放送作家の仕事というのは、あくまで台本書き、これが基本なのです。



芸能人のサインもらえますか? というのはよくある質問ですが、局はあくまで職場なので、恥ずかしくてそんなこと絶対にできません。



もし、知り合いに放送作家がいても、「○○さんのサインもらってきて」などとは絶対に頼まないでください。みんなイヤな顔をすると思います。



芸能人とつきあえるんじゃないか、などと思う人がいるかもしれませんが、これも基本的に間違った考えです。

芸能人から見れば、作家はあくまでも裏方、スタッフです。恋愛対象のレンジからはハズれています。作家から見れば、タレントさんは各事務所の商品さまです。つき合うとかつき合わない以前の、モラルの問題です。



もしもめてエライことになったら、その事務所からは間違いなく出禁(笑)。出禁で済めばまだいいのですが、ヘタしたら業界からけり出されます。



ですので、よっぽど巨匠な放送作家じゃなければタレントさんとおつき合いするなんてことは考えられないのです。



では、放送作家になりたい人はどうすればいいのでしょうか? 昔であれば、例えば深夜ラジオ番組のはがき職人をやって、番組に気に入られて、放送作家見習いで入って、みたいな方法もありましたが……。いや、いまもありますが、これは極めて少数です。



現在ではどこかの事務所に入るのがもっとも簡単で手っ取り早い方法です。新卒を募集している事務所もありますし、中途採用で門戸を開いている会社も多いです。



もちろん経験がない場合には見習いスタートなので、最初から高給がもらえたりするようなウマイ話はまったくありません。企画が採用されて1本5,000円とか、ADとして局に行っていくらなどそういうカタチになります。



外から見ると華やかに見えるかもしれませんが、信じられるのは自分の腕ひとつという非常に厳しい世界です。



(谷門太@dcp)