登山用のバックパック、どこがスゴイの?




「山ガール」なんて言葉がはやりましたが、山ガールじゃなくても、初夏のさわやかな登山にトライしてみたいという方もいるのでは。



今回は、必須アイテムである登山用のバックパックについて、登山用品の輸入・卸を行っている「株式会社ロストアロー」の広報の方にお聞きしました。





■一般用とは違う、登山用ならではの性能とは?



――登山用リュックサックはどういうところが特徴なのですか?



「まず名称ですが、登山やアウトドアの世界では『リュックサック』ではなく、英語のバックパックまたはパック、あるいはドイツ語のルックザックを短くしてザックと呼ばれています。



一般的なリュックサックは、デザイン性を重視して形や素材を決めると思います。例えばレトロなデザインにしたり、素材にキャンバスやレザーを用いてみたり。しかし、登山用パックは身体へのフィット感、機能性、軽さが最優先。



素材はナイロンまたはポリエステルが主流で、厚さは420デニールクラスが多く、軽量化にこだわったものは210デニールの薄い生地を使う場合もあります。



縫製や加工は一般的なリュックサックと大きく変わらないと思いますが、縫い目の裏側にシームテープを接着して防水性を高めたり、ポケットのジッパーには止水ジッパーを用いたりするなど、防水性を高めたモデルもあります。また、縫い目はもっとも傷みやすい所ですので、基本的に縫い目が外側に出ないように作られています」



――名前からして違うとは知りませんでした! そんなにいろいろと工夫がされていれば、やはり、使い心地も違うんですか?



「登山用パックは身体へぴったりとフィットさせますので、腰を中心として荷物の重さを均一に分散させパックのブレを防ぐことにより、疲労をなるべく抑えるように各社が工夫をこらして開発しています。こうしたつくりは、背面システム、フィッティングシステムなどと呼びます。



ほかにも、ショルダーストラップとヒップベルトの厚さ・形状のこだわり、背中の長さに合わせてサイズ調整ができる背面長調整システム、背中と接する背面部分の形状や素材を工夫して汗蒸れを防ぐ、骨格の異なる男性用と女性用モデルに分ける……など、まずは背負い心地重視です。



また、使い勝手については登山で用いるさまざまなツール(トレッキングポール、水筒、ヘッドランプなど)を取り出しやすいようにポケットやアタッチメントが装備されていますし、荷物が少ないときにパックが型くずれしないように、サイドにはコンプレッションストラップもあります。



形状はシンプルな筒型の物から流線的な物までさまざまですが、共通しているのは、背負ったときに荷重がなるべく身体の重心に近づくよう、上部は細く、腰に近づくにつれてやや太くなる形状になっていること。後ろに垂れ下がったり、身体の横にはみ出したりするような形状のものはありません」



■登山デビューの人におすすめのバックパックって?



――まさか、骨格から考えられているなんて! 自分にぴったりものを選ぶには、どうしたらいいでしょうか。



「初心者は日帰りまたは1泊2日程度の山行が多いと思います。容量は30〜40リットルでシンプルなデザインの物がよいでしょう。雨ブタと本体に分かれている物が使いやすいと思います。



あまりごてごてとアウトポケットがついている物は一見便利そうですが、何をどこに入れたかわからず、意外と使いにくいものです。また、クライミング用や軽量化に特化した特別モデルなどは、用途が限定されたり、快適性や耐久性が犠牲にされていたりすることもあるので、初心者は避けた方が良いでしょう。



購入の際には実際に背負って、違和感がないことを確かめてください。ショップによっては10kg程度の荷物を入れたパックを用意している場合もあります。パックは身体に正しくフィットさせないと効率よく背負えませんので、取扱説明書を読んだりしてフィッティング方法を学んでください」



――おすすめのブランドなどがあれば教えてください!



「当社の取扱商品では、アメリカの『オスプレー』というブランドがフィット感に徹底的にこだわったパックとして高い評価を受けています。背中を包み込むようなフィット感が、重い荷物を背負うつらさを軽減してくれます。



オスプレーは長期登山用の大型パック、トレッキングパック、超軽量小型パック、豊富な女性モデルのラインアップ、キッズ用登山パックなど、すべての登山者のニーズに応えられる幅広いラインアップが特徴です」



――パックの使用で、何か注意することはありますか?



「パックは生地が薄いものが多く、岩角や木の枝などに引っかけたり、鋭利な物をそのまま入れたりすると簡単に裂けてしまうので気をつけてください。地面の上を引きずるのも禁物です。



お手入れは、山行後は荷物をすべて取り出し、逆さにして中のゴミや土などを落とし、ぬれた場合は陰干ししてよく乾燥させてください。汚れがひどい場合は中性洗剤で手洗いをし、自然乾燥を。その後、すべてのストラップを緩めた状態で、乾燥した場所に日光や熱を避けて保管してください」



――せっかく本格的なパックを買うなら、しっかり長持ちさせたいですもんね。ありがとうございました!



株式会社ロストアロー



登山、クライミング、バックカントリースキー、アウトドア用品の輸入・販売。登山先進国であるアメリカ、ヨーロッパの道具をクライマー視点で厳選し、日本国内でのメンテナンスなどの問い合わせにも対応している。



http://www.lostarrow.co.jp





(島田彩子)