鉄道トリビア (152) N700系普通車の座席は、同じ料金でも狭かったり広かったりする

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東海道新幹線の普通車の座席配置は3列+2列になっている。

0系や100系はすべての座席の幅が同じだったから、3列シートの真ん中のB席は窮屈だった。

しかし、300系量産車以降、B席の幅が他の座席より30mmだけ広くなった。

窓側や通路側は430mm、B席は460mmだ。

300系が引退した現在も、700系とN700系の3列座席はB席のほうが広くなっている。

ただしN700系では、それまでの形式と比べて窓側と通路側が10mm広くなり、幅440mmとなった。

B席は460mmと変わらないから、その差20mmに縮まっている。

いずれにしてもB席のほうが広いから、体格の良い人はB席のほうがゆったりとくつろげるだろう。

同じ料金でもB席のほうが広いからお得と言えそうだけど、窓際のほうが楽しいと思う人は多いし、通路側のほうが遠慮なくトイレに立てるから良いという人もいる。

どの席にも一長一短あるわけだ。

ところで、N700系は普通車の一部で従来より座席が狭くなっている。

その差はわずかとはいえ、ちょっと損をした気分になるかもしれない。

新しい車両のほうが居住性は改善されているはずなのに、これはいったいどういうことだろうか?ちょっとだけ狭い普通車、それは先頭車両の1号車と16号車だ。

狭い部分は座席の前後の間隔である。

他の普通車は前後の間隔が1,040mmで、これは100系以降から変わらない。

しかし、N700系の1号車と16号車だけは1,023mmで、17mmだけ狭くなっている。

その理由は先頭車の形状に関係している。

新幹線の先頭車は、伝統的に流線型になっている。

空力やトンネルに入るときの衝撃を軽減するためで、新型車両が出るたびに改良されてきた。

N700系の先頭車は、700系の先頭車形状を進化させた形で、「エアロ・ダブルウィング」と呼ばれている。

その長さは10.7mで、700系の9.2mより長い。

しかし車体の長さは同じだから、流線型部分を長くするには客室の前後長を短くする必要があった。

つまりN700系の先頭車は、700系の先頭車より客室が短い。

その上で、N700系と700系は座席数を同じくした。

そのために座席の間隔を縮めたというわけだ。

指定席を取るなら16号車、自由席に並ぶなら1号車は要注意かもしれない。

もっとも、N700系は窓側の各座席にコンセントがあり、ノートパソコンを使う人も多い。

そんな人の中には、テーブルが近くて使いやすいという人もいる。

いずれにしても、「N700系の1号車と16号車は前後間隔が狭い」は覚えておいたほうがいいだろう。

N700系といえば、山陽新幹線と九州新幹線を直通するタイプもある。

「みずほ」「さくら」に使われている7000番台や8000番台だ。

こちらの先頭車の座席間隔は、他の車両と同じ1,040mmで、他の普通車と同じになっている。

そのためにわざわざ定員を減らしたからだ。

東海道・山陽新幹線のN700系先頭車の座席番号は1番から13番までだが、九州新幹線直通タイプは12番までとなっている。

九州新幹線に限定した場合、「さくら」「つばめ」の自由席に乗るならN700系より800系のほうがゆったりしている。

指定席・自由席ともに2列+2列の配置で、座席の幅が広く取られているからだ。