週末の寝だめは逆効果!? 睡眠に関するセミナーが開催

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製薬会社アステラスと、医薬品の開発・製造・販売を行うサノフィ・アベンティスは、22日「睡眠と日中パフォーマンスの関連性 〜睡眠の質を上げるには〜」と題し、睡眠に関するメディアセミナーを開催した。

セミナーでは、睡眠障害の治療を行うスリープ&ストレスクリニック院長の林田健一氏が、日米仏の成人に対して行った不眠に対する意識や行動の調査結果を報告した。

調査対象は日本人3,282人、アメリカ人1,725人、フランス人1,966人の合計6,973人。

2011年8月18日から24日の間にインターネットにて行われた。

調査の結果、日本人に特徴的であったのは次の4点である。

(1) 米仏と比べて、日本では飲酒頻度が高く、運動頻度が低い。

(2) 日本人は「一人で」、「長時間屋内におり」、「パソコン作業を多くする」ことが多い。

(3) 日本人の睡眠時間は米仏人より短く、平均睡眠時間が6時間未満の人が全体の19.8%を占める。

(4) 3カ国中、睡眠に対する満足度は日本がもっとも低く32.1%。

同氏は、特に4つ目の特徴である日本人の睡眠の満足度の低さが問題であるとし、睡眠時間を適切にとる必要があると述べた。

「睡眠時間は6〜8時間が適切で、6時間より短くても8時間より長くなっても体に良くありません。

睡眠時間が短すぎたり長すぎたりした場合、糖尿病や高血圧、うつ病の発症リスクが高まり、体重が増加しやすく生活習慣病などのリスクを背負うことになります」(林田氏)また、同セミナーにはNPO睡眠文化研究会事務局長である鍛治恵氏も参加し、「良質な睡眠をとるための生活の工夫」について講演を行った。

睡眠の質を上げるためには、次の4つのポイントがあるという。

■その1 体内時計のリズムを整えること第一に、体内時計のリズムを整えることが必要であるとされる。

特に、起床時には太陽の光を浴び、体内時計をリセットすることが大切。

また、週末に睡眠時間を極端に多くとる「寝だめ」もリズムをくずすため、控えることが望ましいという。

■その2 日中しっかりと動くこと第二に、日中しっかりと覚醒することが重要であると鍛治氏は述べる。

昼間だらだらと動かずに過ごしてしまうと、快眠に必要な適度な疲れもなく、また、快眠するためには体温が下がっていることが条件であるが、日中活動し体温を上げておかないと入眠時に体温が下がらないため寝付きが悪くなるという。

■その3 就寝前に体が覚醒する行為を控え、しっかり入浴することまた、就寝前に体が覚醒するような行為を控えることが望ましいとされる。

例えば明るいモニターがあるパソコンやスマートフォンの使用、アルコールやコーヒーなどのカフェイン飲料の摂取、喫煙などは、快眠を妨げるため避けるべきであると同氏は語る。

また、就寝前に行うべきことで特に重要なのは入浴であり、就寝の90分ほど前に入浴を済ますと、就寝時に体温が下がり寝つきがよくなるという。

■その4 就寝時の服装や寝室環境を整えることそして、就寝時の衣服や寝室などの就寝環境を整えることが、何よりも大切であるとされる。

就寝時の衣服は、通気性のよい綿素材のものがオススメだと同氏は述べる。

人間は就寝時に体温を下げるため、寝ている間にコップ一杯分の汗をかくとされる。

その際かいた汗が蒸発しやすいよう、就寝時の衣服の通気性を良くしておく必要があるという。

また、就寝時の寝室の温度は28℃以下に設定することが望ましい。

これは、28℃以上の室温であると体温が下がりにくく、快眠を阻害するためであるという。

また、エアコンや扇風機などの風を直接体にあてず、室内に気流を作ると室温が下がりやすいとされる。

講演の最後に、鍛治氏は「こうした工夫を通じて、多くの人により良い睡眠をとってほしい」と語った。

セミナーの最後では、林田氏が不眠症のリスクと対処について講演を行った。

現在日本には約2,500万人が不眠症状を持ち、そのほとんどが「自分の症状は不眠ではない」と軽視する傾向があるという。

スリープ&ストレスクリニックの調べによると、不眠症状のある人の約半数が症状を相談せず、また、全体の約3割が相談したくとも不眠治療の診療科がどこなのかわからないと回答しているという。

同氏は「少しでも不眠症状を感じたら睡眠専門医に相談してほしい」と述べ、「生活習慣病やうつ病を引き起こす不眠を予防し、早期発見し、そして治療することが国民の健康を守るためにも重要である」と語った。