抜群のキャラクター性を持つだけに、マイケル・ビスピン戦のデキが酷評されたジェイソン・メイヘム・ミラー。仕切り直しの一戦は強さ、精度の高いグラウンドワークを見せてほしい

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UFC世界ヘビー級選手権試合を筆頭に、ヘビー級のカードがメインにズラリと並んだUFC146「Dos Santos vs Mir」。そんなPPVを前にプレリミナリーファイトにも、アンダーに回るのが惜しい試合が揃っている。

そのなかの一つが崖っぷちミドル級対決だ。MTVで中継されたリアリティTVショー=Bully Beatdownで知名度を上げたジェイソン・メイヘム・ミラー。Strikeforce時代の存在感を買われ、昨年UFCとの再契約を果たしたメイヘムは、オクタゴンに戻るよりも先にTUF14のコーチ役に抜擢され、さらにお茶の間で顔を売ることになった。

しかし、マイケル・ビスピンとのコーチ対決では、ほぼ何もできずに完敗を喫してしまう。初回にテイクダウンこそ奪ったが、有効的な攻撃はできず、スタンドに戻ると、ほぼ一方的にビスピンの打撃を受け劣勢に。遠い距離からテイクダウンを仕掛けては、引き込みガードポジションを取るという試合展開。コーチ対決の前に戦ったTUF14勢が、打撃、組み、極め、全ての局面でアグレッシブだったのとは対照的に、前時代を思わせるものだった。

期待が大きかった分、彼のパフォーマンスには厳しい声が挙がり、僅か1試合でリリースという話もあったほど。TUFコーチ、メインでのオクタゴン再デビューからプレリミでの再起戦となったメイヘム、その対戦相手CB・ダラウェーもまた微妙な位置にいる。TUFシーズン7の中心的ファイターだったダラウェーは、準決勝でアミール・サダローに敗北も、ジェシー・テイラーのハウス外での狼藉により、繰り上がりでフィナーレへ。しかし、腕十字でサダローに返り討ちにあってしまう。

アリゾナ州立大レスリング部ではライアン・ベイダーらとオールアメリカンに輝いているダラウェー。テイクダウンとフィジカルの強さに、ボクシングを加えた典型的なアメリカンMMAスタイルで、TUFフィナーレの敗北後は、トム・ローラーにギロチンで敗れたものの5勝2敗という戦績を残してきた。

層の厚いミドル級戦線でトップ集団入りが見えてきたダラウェーだが、昨年3月にマーク・ムニョスに僅か54秒でTKO負けを喫し、続く8月のジャレット・ハマン戦でも逆転TKO負け。現在は連敗中でUFC通算戦績も5勝4敗と勝ち負けが変わらなくなってしまった。メイヘムとの試合に敗れると、リリース云々ではなく限りなくトップ戦線に躍り出ることが難しくなってしまう、そんな状況にある。

フィジカル、技術、そしてセンスもあるダラウェーだが、勝ちきれないダラウェーに遅れを取ることになれば、メイヘムももう後がない。ビスピン戦を見る限り、ダラウェーが打撃とテイクダウン狙いという攻防でメイヘムを削ってくるのは明らか。ただし、日本やストライクフォース、それ以前のハワイのICONSportで活躍してきたメイヘムの地力が、あのビスピン戦でのパフォーマンスだったとは思えない。

巧みなグラウンドワークを発揮するには、ダラウェーのテイクダウンを中心として、寝技もそつなくこなすスタイルは、メイヘムにも適しているはずだ。仮にメイヘムが今回の試合でもビスピン戦のように何もできないようなことがあれば、これはもうUFCのレベルの高さ、MMAの進化に彼がついていけなくなっていると判断されてもしょうがない。メイヘムには、あの絶妙なポジションとパウンドの連係、そしてフィニッシュという高度な流れをオクタゴンで再現してほしいものだ。

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