財務省の消費税に関する回答を読者に解読してもらいました

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「新聞は生活必需品だから消費税を軽減してゼロ%にすべき」といった主張を新聞の社説でみかけたので、財務省に「生活必需品の定義」「新聞代は消費税ゼロになるんですか」といった質問を送りました。10日ほどして届いた財務省の回答が難しかったので、読者に解読をお願いしたところ、たくさんのメールをいただきました。一部ご紹介いたします。

●財務省への質問
以下、質問の要約です。質問全文は記事下部の「資料」に転載します

質問1)財務省では「生活必需品」をどう定義しておられますか。

質問2)具体的にお尋ねします。財務省では食料品・医薬品を生活必需品だと考えておられますか。

質問3)書籍・雑誌を生活必需品だと考えておられますか。

質問4)新聞を生活必需品だと考えておられますか。

質問5)複数税率(軽減税率)を導入し新聞の税率を軽減すべきだと考えていますか。


●財務省からの回答
これに対する財務省からの回答は以下のとおりでした。(タイトルなし、無署名での回答)

平成24年2月17日に閣議決定された社会保障・税一体改革大綱においては、「消費税(国・地方)の税率構造については、食料品等に対し軽減税率を適用した場合、高額所得者ほど負担軽減額が大きくなること、課税ベースが大きく侵食されること、事業者の負担が増すこと等を踏まえ、今回の改革においては単一税率を維持する」こととしており、同大綱を踏まえ、平成24年3月30日に、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案を提出したところです。



●読者さんの答え1
生活必需品を定義して、食料品や新聞等について軽減税率あるいは非課税を新たにを設けることはしませんという回答です。
現在は消費税法に土地の譲渡・貸付や保険診療などが限定的に列挙され、非課税とされています。

理由あるいは隠された本音
(1)生活必需品を規定しようとすると必ずもめる。線引きが面倒だ。
例えばジャガイモは非課税でポテトチップスは課税にするといった線引きが必要になり、各省庁、あるいは業界団体との調整が必要となります。そこまでの法案は作っていない。
(2)非課税品目を新たに増やすと増税の効果が相殺されてしまうので嫌だ。
こんな感じが読み取れます。


●読者さんの答え2
解答についてですが、解読不能って読み取る気がないだけではないですか?
単一税率を維持って書いてありますよね?
その理由も書いてありますね。
つまり、そういうことだと思いますが、間違ってますかね?
あなた方が握っていた情報が誤っていたのだと思います。

●読者さんの答え3
「財務省の回答意訳」

消費税率上げて食料品等を「生活必需品」と定め、それら「生活必需品」に対し税率0%等の軽減税率を適用すると、お金持ちから税金取れない、また事業者の負担が増すことになる(大型百貨店や都市型スーパーなど種類の違う商品を扱う事業者などは、異なる税率を設定する際に生じる経費が膨大)ため、反発やらに対応するのが面倒ですから、今回の改革においては単一税率を維持することとして、真に国民の生活を考えた税制改革は次回以降に持ち越すという内容の法律案を提出しました。

「生活必需品」という括り方にこだわり、分類の仕方がいかにもお役所的です。食糧だけでなく衣料だって場合によっては0%でも良いと思います。子供服って高いんですよ?カテゴライズの仕方が一般の感覚と相当にかけ離れてますね。みんなにイイ顔して収めることができるほど簡単な問題でない事は誰でも理解できるでしょう。こういう時こそ識者やら意見を積極的に取り入れて運営していくべきなのに。どこからもお金が得られない、出て行く方が大きくて債務がどんどん膨らむ、どうしたらよいか?税金上がっても仕方ない事は国民も承知です。所得税率の見直しや、あるところから納めてもらうよう法改正すれば随分持ち直せると思います。お役にたてれば幸いです。


●読者さんの答え4
・食料品等に対し軽減税率を適用した場合、高額所得者ほど負担軽減額が大きくなる
→軽減税率の適用は、低所得者の負担軽減が目的のはずですが、食料品に軽減税率を適用すると、収入の多い人ほど税負担が軽くなる(ため、意味がありません)。

・課税ベースが大きく侵食される
→軽減税率を適用すると、一番税収の大きい部分を削ることになるから、税率の割に税収が落ち込んで財政が苦しくなるよ(安定財源の確保をしたいのに、逆のことは出来ないよ)。

・事業者の負担が増す
→消費税は合計に5%かける単純な方法なので、誰でも出来るけれど、税率がいくつもあると、高度なレジを入れないと計算が出来なくなるから、売り上げの大きな店しか残らなくなるし、中小の商店が成り立たなくなるから、政治的に反対が大きすぎて出来ません。

・今回の改革においては単一税率を維持する
→税率は、一律何パーセントという形にするよ。複数税率にはしないよ。

・社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案を提出したところです。
→そんなわけで「抜本的改革」と言ってる割にとりあえず手をつけられそうなことしかやらないけど、もう法律案は提出したよ。


●読者さんの答え5
貴社の質問状に対する財務省の回答を見ますと、現時点において財務省は複数税率を導入する選択肢はもっていないのではないかと推測されます。

個人的に受けた印象を元に返答文を解読するのであれば

社会保障・税一体改革大綱において「今回の改革においては単一税率を維持する」と決定しているのでその方針の元に消費税法案改革案を作成提出しました。(故に複数税率を導入する改革案は作成していないため、複数税率に関連する財務省の見解は存在しません。尚個別の案件につきましては回答を差し控えさせていただいております)

といったところでしょうか。


●お役所への質問や疑問を募集
ガジェット通信では引き続き読者の皆さんからのお役所に対するの質問や疑問を募集します。代表して文書や電話で質問したり、その方がてっとり早い場合はお役所に行って直接話をきいてきます。

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■資料
●質問状全文

財務大臣殿

■複数税率導入に伴う新聞の税率軽減についての公開質問

消費税増税の議論が現在進行しておりますが「生活必需品」に関しては消費税の税率を変えるべきだという議論もあり(複数税率、軽減税率の議論)、議論の行方が注目されております。それに伴い、新聞各紙は複数税率を導入し新聞の税率を軽減すべきという論を紙面で展開しております。

「(英国では)新聞・雑誌などがゼロ税率(2012年4月5日・毎日新聞社説)」
「新聞や書籍も税率をゼロや大幅に低くする国が多い。複数税率導入も検討すべきだろう。(2012年3月31日・読売新聞社説)」

以下、複数税率(軽減税率)の導入に関連して質問をいたしますので、期日までにご回答お願いいたします。

質問1)消費税の複数税率(軽減税率)の議論における「生活必需品」の定義につきまして、財務省の見解を教えてください。財務省では「生活必需品」をどう定義しておられますか。

質問2)具体的にお尋ねします。財務省では食料品・医薬品を生活必需品だと考えておられますか。

質問3)財務省では書籍・雑誌を生活必需品だと考えておられますか。

質問4)財務省では新聞を生活必需品だと考えておられますか。

質問5)財務省では複数税率(軽減税率)を導入し新聞の税率を軽減すべきだと考えていますか。