土曜日の記事に書いた今成が先発で起用され、第一打席で早速回答を出してくれた。高めの甘球をしっかり振り抜いた。大変いいスイング。ともすれば、しっかりスイングすることを、思いっきり振り回すと勘違いしている選手をみかけるが、今成のスイングはコンパクトに強く振り抜いていた。

チーム状態が沈滞化しているとき、一人の選手の思わぬ活躍からチームが勢いづくこともある。1992年、オマリーが戦線離脱した時の代役が新庄剛志だった。代役出場の第一打席の初球を本塁打しブレイク。

その年は、亀山とともに大活躍してヤクルトと優勝を争った。暗黒時代の90年代で唯一ファンを喜ばせてくれた年でもあった。オマリーが離脱しなければどうだったか…。

そして、新庄がNYメッツへ移籍が決まった翌年入団したのが赤星である。こういう巡り合せも選手のもつ運かもしれない。

ウェスタンでも原口が故障、捕手ができない城島、故障持ちの狩野。そんな時にシーズン途中でトレード。おまけにチームは打てない非常事態。何が起爆剤になるかわからない。しばらく試してみる価値はあると思う。

リード面ではまだまだ未熟だろう。そんなことはベンチも分って使っているだろうし、都度有田が何らかの指示を出し、投手からもリードしているだろう。セの打者の特徴を覚えるのもこれから。リードも打撃もハイレベルであれば、日本ハムで二軍に燻ってはいないしトレードには出さない。

日曜日のABCに野村の爺さんがゲスト解説して再三捕手のリードについて語っていたが、インサイドワークについてはこれから勉強することは多い。捕手はゲームに出て経験することで成長する。まだ24歳。伸び代は十分あると思う。

ところで今成は左打ちの捕手だ。捕手の左打ちと言えば阿部慎之助が代表格だが、V9戦士である森さんを除いてプロ野球史上大成した選手はあまりいない。思い浮かべる選手としては、ロッテの橋本、ヤクルトの秦、オリックスの日高などだが、現コーチの関川や西武の高木大成など野手転向組も多い。

これには何か因果関係があるのだろうか…。

捕手出身からの経験者目線で、毎回鋭い洞察力で記事を書かれている正吾さん  に解説をお願いしたい次第である。是非よろしくお願いします(^^ゞ

そういえば、大分昔の話になるが、タイガースにかつて右投げ左打ちの捕手が入団したことがある。笹本信二選手、1974年のドラフト3位。タイガースには2年しか在籍がなく、その後、阪急、読売へ移って控え捕手として活躍したが、シュアなバッティングが印象に残っている。

彼の運命もまた悲運だった。レギュラーとして十分活躍できる力はあったが、タイガースでは田淵、読売では山倉という壁にぶち当たった。これも彼の運命だったのだろうか…。

今成が大きなチャンスで移籍してきたのは間違いない。掴むも逃すも本人次第だが、使ってやるのは首脳陣。藤井も35歳だ。連戦が続くとバッティングも精彩を欠く。小宮山も26歳と若い。若い2人を競い合わせ、切磋琢磨することでより成長する。タイガースの将来のために起用を増やしてもらいたい。

配球で失敗したら学習して次に活かせばいい。1試合出れば120球前後のボールを受ける。1球1球に意味があると野村は言う。だとすれば1球1球思い出して自問自答しながら学習を繰り返せばいい。それがプロの捕手の仕事だと思うし、今成も当然やっていると思う。

強いチームには打てる捕手も必要なのだ。