工作機械・産業用ロボット編

業界トレンドNEWS Vol.131

マザーマシン、マシニングセンタ、NC…業界志望者は知っておきたいキーワードは?


■アジアなど新興国需要の拡大でV字回復。円高対応力の強化を目指した海外工場建設が活発

工作機械業界の主な製品は、旋盤・ボール盤・フライス盤、研削盤、マシニングセンタなどだ。国内大手企業としては、ジェイテクト、アマダ、東芝機械、森精機製作所などが挙げられるが、それ以外にも高い競争力を持つ企業も少なくない。また、ライバルの外資系企業としては、シーメンス(ドイツ)といった強豪、低価格な製品で攻勢をかけている韓国、台湾、中国企業などがある。

一般社団法人日本工作機械工業会の「工作機械主要統計」によれば、2008年の工作機械総受注額は1兆3011億円。この年まで27年間連続で、日本は工作機械の生産額において世界1位の座を占めていた。ところが、09年にはリーマン・ショック後の景気悪化により、総受注額は4118億円と激減。ついに中国、ドイツに次ぐ3位に転落してしまった。ただし、10年は9786億円まで回復してドイツを再逆転。11年には1兆3262億円を受注し、リーマン・ショック前の水準にまで回復を果たした。需要をけん引しているのは、アジアを中心とした新興国の成長。特に、スマートフォンの生産が増えていることが、新興国での需要拡大を大きく促している。なお、08年の総受注額において、外需の占める割合は56.4パーセント。これが、09年は61.2パーセント、10年は68.6パーセント、11年は68.2パーセントとなっており、輸出の重要性は徐々に高まる傾向だ。

一方、溶接や部品取り付けなどの作業を、人間に代わって行うのが産業用ロボット。主要メーカーには、ファナック、安川電機、富士越などがある。また、三菱電機、パナソニック、川崎重工業といった電機メーカーも、産業用ロボットを製造。主な製品は、射出(しゃしゅつ)成型機、アーク溶接ロボット、塗装ロボットシステムなどだ。

この業界も、リーマン・ショック後の不況によって大きな痛手を受けた。一般社団法人日本ロボット工業会によれば、08年における産業用ロボットの総受注額(日本ロボット工業会の会員ベース)は5342億円。これが、リーマン・ショック後の09年には2296億円と激減した。その後、10年には4478億円、11年には4813億円と、やはり回復基調に乗っている。08年の総受注額において、外需の占める割合は64.6パーセント。09年は61.9パーセント、10年は76.2パーセント、11年は74.0パーセントと推移しており、やはり外需のウェイトは大きくなる傾向だ。なお、現在のところ、産業用ロボットの稼働台数は日本が世界1位(マニピュレーティングロボットの分野に限れば、10年時点で全世界の28パーセントを占める)。しかし、近年は中国など新興国での稼働が増加傾向となっている。

すでに述べたように、どちらの業界でも外需の比率が高まる傾向だ。そのため、拡大する新興国需要を取り込むことが、各社の成長の鍵を握るだろう。また、典型的な輸出型産業のため、現在の歴史的な円高は大きな不安要素。そこで、各社は海外生産の比率を高めることで、円高対応力の強化に努めている。新たな事業の柱を模索する動きも活発。特に、これまで自動車業界の設備投資に頼る部分が大きかった産業用ロボット業界では、ファナックが食品・医薬品・精密機器分野、安川電機が環境エネルギー分野への進出を目指すなど、事業拡大への取り組みが目に付く。