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前回は日本の曼荼羅の主流のひとつ、胎蔵曼荼羅について説明しました。
今回はもうひとつの「金剛界曼荼羅」についての説明から始めましょう。
 
「金剛界曼荼羅」とは


Kongokaimandala.jpeg金剛界曼荼羅とは、密教の経典のひとつ「金剛頂経」をもとに、人が悟りを得るまでの修行の道のりを図で段階的に示したものです。
金剛界曼荼羅は9つの曼荼羅の集合体で、中心はやはり大日如来です。
その周囲に、胎蔵曼荼羅ではとてもたくさんの種類の仏が描かれていましたが、金剛界では37種類の仏を中心にそれらがまとめられ、各区分でいろいろな形に変化しながら描かれています。

 
 
 
 
 
 

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また、この曼荼羅を見る時は
「右下の曼荼羅から時計回りに進んで最後に中央へ」という順序で見ます。
その順序で見ると、人間たちが悟りへと向かう道のりを図で追って行くことができるのです。

ちなみに逆方向に見ることもできて、この場合は仏の智慧が下界に降りていき人間を救済するまでの過程を表します。
 

て、ここで2種類の曼荼羅を見比べてみましょう。

比べてみて、どのような印象を受けられるでしょうか。
ちなみに筆者の感じたことは次のような感じです。

 
Taizomandala.jpg胎蔵曼荼羅は、中心の大日如来を父とする仏ファミリーという感じ。
中心の大日如来と「れんげの花」の存在感が強いので、曼荼羅全体でひとつのまとまり感が強く、分かりやすい
多種多様な仏は(周辺部には人の足を食う女神など、不気味なものもあります。これは密教ができた時に、ヒンズー教から取り入れられた神々のひとつです)みな受け入れられて輪の中にいるイメージ。
仏に対して親近感がわき、安心する。

 

 
 
 
 
Kongokaimandala.jpeg金剛界曼荼羅は胎蔵よりも対称性が強い、幾何学的なきれいな図形に並んでいる。
似ているが少しずつ違う記号がたくさん、整然と並んでいるイメージで、親近感はあまり湧かない。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実際こう感じる人は多いようで、日本では、胎蔵曼荼羅のほうが金剛界曼荼羅よりも人気が高いそうです。
逆にインドやチベットでは、あとからできた金剛界曼荼羅の方がより整理されているということで、胎蔵曼荼羅はやがて廃れてしまいました。

この、曼荼羅に対する日本人の「好み」に、日本人ならではの感性を見てとることができるのです。
「曼陀羅」の最終回となる次回、そのことについてお話ししたいと思います。
 
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