韓流ブームは結局終わった? 終わっていない!?

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●韓流に関するアンケート結果に反響


テレビをザッピングしていると、しばしば韓流ドラマに出会う。TSUTAYAに行けば、CDレンタルの独立したコーナーとして韓流があったりする。筆者の中の韓流といえば、 iTunesに入っている少女時代の『Girls' Generation』というアルバムくらいのものである。では、その韓流とは、何なのだろう。

デジタル大辞泉によれば、「東アジアに起こった韓国大衆文化の流行をいう。日本では、平成14年(2002)に制作された韓国のテレビドラマ『冬のソナタ』の流行がきっかけとなった。ドラマに限らず、映画・音楽・アイドル・料理など、さまざまな方面で流行が見られる」とある。「起こった」ということは、過去形なのであろうか。テレビではあいかわらず韓流ドラマを放映し、東京の新大久保あたりでも韓流ショップが盛況だと聞くが。

さて、岐阜県の大垣共立銀行という地方銀行が共立総合研究所というシンクタンクを持っており、同研究所が「『韓流消費に関するアンケート』結果」なるプレスリリースを、2012年3月6日に報道関係者へ配った。「岐阜の地銀が、なぜ韓流を分析?」というナゾは残るものの、それなりに反響のあった「結果」のようである。

調査対象は、20代から60代以上を含む主婦。人数は、776人。方法は、銀行に来た人に対する調査票を使ったアンケート。重要なのは、3つの項目である。第1が「好きな韓流スターの有無」で、全体の25%が「いる」と回答。第2が「韓流ドラマを見る頻度」で、「ときどき見る」が20.7%、「よく見る」が16%。第3がもっとも重要な「『韓流』についての自己評価」で、「どちらかと言えば韓流好き」が17.1%、「韓流好き」が11%。

同研究所は、アンケート結果のまとめとして「K-POPの台頭、食品、コスメをはじめとする韓国製商品ブームのマスコミでの取り上げ方、新聞のテレビ欄における韓国ドラマの占有状況からかなりの盛り上がりを予想したが、結果は予想を下回るものであった」とプレスリリースに記している。これを読んで、筆者は「どんだけ盛り上がっているという予想をして、このアンケートをやったんだよ」と思った。

ネットでは、このアンケートを元に「『韓流好き』が3割以下」などと見出しをつけたり、韓流が好きではない7割の方を強調するような記事や意見が多いようだ。さらに、アンケートを元に、「韓流のステルスマーケティングが失敗した」とか「韓流は終わった」と言い切る人も出てきている。だが、筆者はアンケートを読んで、まったく別のことを感じた。

回答者の多くが岐阜県と愛知県に住む主婦だというアンケートのベースを考えれば、韓流好きが3割というのは、けっこう高い数字なのではないか。同研究所が、4割とか5割の主婦が韓流好きと答えることを予想していたのなら、その予想自体が異常である。直に韓流と触れ合うことができたり、韓流の情報量が多いであろう東京近郊で同様のアンケートをやれば、岐阜や愛知の結果よりも韓流好きの割合が増えるかもしれないが。

●アンケート結果が嫌韓・反韓の材料に?

いずれにしても、こうした生活や文化に関するアンケートの結果が、日本のネット上ではすぐに嫌韓やら反韓の道具として使われてしまうことが、なんとも情けない(韓国のネットでは自虐のネタにされている?)。たとえナショナリズムのネタとして使うにしても、韓流好きが3割という「けっこう高い数字」をもって、韓流や韓国を叩くのには無理があると思うのだが、いかがであろう。

筆者は、特に韓流好きではない。また、韓国に媚びを売るような理由もない。そんな筆者にも、まわりからは「今日は帰って『イ・サン』を見なきゃ」とか「韓流ドラマの録画がたまっちゃったから見なきゃ」などという声が聞こえる。「いまだに韓流は強し」というのが韓流に対する個人的な印象である。

(谷川 茂)