2011年は大災害の年として人々の記憶に長く残るだろうが、ふたりの偉大なブックレビュアーが亡くなったことも本好き、特に翻訳ミステリファンにはショッキングな出来事であった。
 ひとりは内藤陳。「読まずに死ねるか!」という決め言葉が耳に残る。
 もうひとりが児玉清だ。名脇役としての俳優、「パネルクイズアタック25」の司会者、そして大変な読書家として有名だった。5月16日に1周忌を迎えるにあたり、遺稿集としてまとめられたのが『すべては今日から』である。
本書は4部の構成になっている。それぞれは、本にまつわるエッセイ、各媒体に連載されたその時の旬の作品紹介、人生のターニングポイント、最近の日本に対する警鐘が纏められており、本書に納められている最後の文章は、文藝春秋2011年5月号に掲載されたものだ。
 書評家は新しい才能にめぐり合うと、誰かに薦めずにはいられないものだ。児玉清に褒められると、新人はとびきり嬉しかったと口を揃える。改めて読み直すと、ダンディで気骨あふれる児玉清という存在は偉大であったと思い知らされる。
 
(東えりか)



『すべては今日から』
 著者:児玉 清
 出版社:新潮社
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