【おはよう短編小説】俺は嫌だなあ。もし自分に息子が生まれたとして、自分と同じように好きでもない仕事をして人生を歩まないでほしいなあ。自分はもう人生あきらめているから仕方ないけどさ、自分の息子とか娘には俺と同じような人生になってほしくないなあ。

だってそうでしょ? 俺の人生なんて終わったも同然だよ。就職して「偶然合格した会社」で働いて、好きでもない仕事をやり続けて、少ない給料もらって、定年退職してそのうち死んじゃうんだよ。いま27歳だけどまだ結婚すらしてないから、一生独りかもしれないけどね。

でもね、自分に子どもができたらさ、自分と同じような「好きでもない仕事を安い給料のためにしている会社員」になってほしいと思う? 思わないよね? でもね、親がつまんない毎日を過ごしているんだから、子どもだって同じ道を歩むかもしれないよね。だって俺の子どもだしね(笑)。

でもまてよ? 自分の子どもには「自分みたいになってほしくない」って思ってるなら、今の自分が変わる必要があるんじゃないか? 変わるべきなんじゃないか? こんな恥ずかしい考えの父親なんて、子どもだって嫌だよな。

好きな仕事をして、好きな趣味をして、好きなように生きる。そういう父親になるべきなんじゃないか? 子どもの見本になれる存在として。よし、今の会社を夏までにやめて、独立か転職をして自分が楽しめる仕事をしていくぞ! やりたくもない仕事を給料のために続けるのはやめだ! そんな人生クソくらえだ!

通勤電車でいつも一緒になっていた見知らぬ人たち! 俺は夏からこの電車に乗らなくなるけど、君たちも一緒に「好きな仕事」に乗り換えたらどうだい? なんのための人生か、もう一度見直してみるぜ!