日本人同士で助け合うデリー生活

海外駐在員ライフ Vol.147

From India

停電や断水など、ライフラインのトラブルは日常茶飯事?


■停電、断水…トラブルは日常茶飯事

こんにちは。微美安です。今回は、インドでの暮らしについてお話しします。

インドでは、150平方メートルほどの住まいで家族と暮らしています。私個人でも十分払える給与水準なので、お手伝いさん2人を雇っています。それほど治安が悪いわけではありませんが、門番を雇わないと、いつの間にか知らない人が家の中に入ってきて、住みついてしまったり、発電機の部品などの備品を持っていってしまう可能性があるため、門番(チョキダールと呼ばれる)も雇っています。

同時に、ここでは日本人同士の人間関係がほかの国よりも密接な気がします。私が住んでいるデリーには、ここ数年で激増した約3500人の日本人が住み、小さなコミュニティを形成していますが、生活の苦労が少なくないせいか、相互扶助の精神でいつも助け合っています。インドでは、停電や断水などライフラインや、メイド・運転手とのトラブルが絶えないため、同じ問題を抱えていることが多いのです。

例えば、お手伝いさんについては「なかなか日本の料理を覚えてくれない」「遅刻が多い」「留守中に家族で風呂に入りに来ている」などの不満が、運転手についても「仕事中に酒を飲んでいる」「夜、路上で暴れた」「勝手に車を使用して事故を起こした」といったトラブルが少なくありません。また、「エアコンから水が漏れてきて、部屋が水浸しになった」「室外機から火が出た」といった設備のトラブルも日常茶飯事。どんなトラブルがあり、どのように解決したのかなどの「ネタ」が、特に駐在開始直後の駐在員夫人の皆さんのホットな話題となります。


■名所探訪やヒンドゥー教研究も

生活面では苦労が多いインド暮らしですが、楽しみも多いですね。タージマハルなどの世界遺産はもちろんのこと、沐浴(もくよく)で有名なバラナシ、ヒマラヤが見えるダージリンやマナリ、レー、「南インドの京都」と言われるマドゥライなど、インドには訪れる価値のある名所がたくさんあります。特にレーは、ヒマラヤ山脈の西側にあたり、文化的・地理的にはチベットに近いエリア。標高3500メートルのため、私も見事に高山病になりかけました。

また、12月〜2月の冬季を除き、屋外プールに入ることができるため、3月〜10月の間は水泳も楽しんでいます。2週間に1回程度は通い、少しでも運動不足を解消しようと努めています。

自分なりにヒンドゥー教研究もしています。ヒンドゥー教に関連する本を読むのはもちろんのこと、インド人の大学教授に話を聞いたり、大学生と交流したり。日本とインドの文化交流を図る団体の行事に参加したりもしています。日本を研究しているインドの人との交流は、日本とインドの比較文化研究をする上でとても役立ちます。こうしてインドの文化を勉強していると、インドの文化がいかに日本に浸透しているかがわかります。

例えば、仏教はインドで生まれましたが、その影響もあって、言語もかなり日本に入ってきています。特に日本の仏教用語の言葉は、ヒンディー語(サンスクリット語)と似ていることが多く、「坊主」は「ボッドゥ」、「卒塔婆」は「ストゥーバ」、「旦那」は「与える」という動詞「DENA」が語源で、大家族を養う甲斐性(かいしょう)のある男という意味です。お歳暮文化も、インドのお正月「ディワリ」のプレゼントと同様。盛大かつ派手な結婚式はインドならではですが、これは日本でも名古屋にだけは残っているようですね。

インド文化は、中国や朝鮮を経由して日本に伝わるまでの間、見事にインドのスパイス的な刺激臭が抜け、エッセンスだけが純化されて日本に取り入れられたという印象を受けます。勉強すればするほど、ますます興味が尽きません。

次回は、インドという国の将来性についてお話しします。