好きなものをランチボックスに取れる

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渋谷を大人の街に変えると期待されている話題の新スポット「渋谷ヒカリエ」。この中にいち早く入居した企業が「世界を切り拓く永久ベンチャー」DeNAだ。

新しいオフィスは、ヒカリエの21階から26階を占める。どのフロアにもガラス張りの大きな窓があり、渋谷の街を一望できる。真新しいオフィスにさっそく訪問して、社員食堂「Sakura Cafe(さくらカフェ)」でランチをいただいてみた。

ビュッフェのサイズは3種類。自分のデスクでも食べられる

店名は社員からの公募と投票で決まったという。「さくら」は前社長の南場智子氏が、以前のオフィスにも連れてきていた愛犬の名前だ。壁には桜の木が描かれていて、やわらかな和の雰囲気を感じさせる。

ランチは、ビュッフェとお弁当の2種類から選べる。ビュッフェはS・M・Lの3サイズが用意され、おかずと副菜の選べる数が異なる。食欲などにあわせて分量が調節できるので、食べすぎを防止できていい。

おかずは社員の健康を考え、野菜中心のものが多い。でも若い社員が多いせいか、副菜には肉や魚のメニューもあって、この日はミートボールや唐揚げ、チキンソテーなどボリュームのあるものが用意されていた。

驚いたのは、食器が紙製のランチボックスだったこと。20種類近くあるお弁当と同様に、自分の席に持っていって食べることもできる。オフィスのデスクはひとり当たりのスペースが大きいので、余裕をもって食事できる。

そういえばIT企業のデスクは、個人ごとに間仕切りがされている場合が多いのだが、この会社ではそれがなかった。広報の立石さんは、「オフィスの環境づくりは、社員間のコミュニケーションをかなり重要視しました」と話していた。やはりベンチャー企業は、自由闊達に話ができる雰囲気でないといけない。

生の野菜や果物のジュースを提供するコーナーもあった。リンゴ、パイン、ニンジンなどから好きなものを選べる(1杯250円)。

筆者もランチをいただくことに。唐揚げ、ミートボール、根菜サラダ、トマトのマリネなど計6種類をチョイスした。渋谷のお洒落なカフェでデリを食べている感じだ。Lサイズを頼んだので、かなり満腹になった。ランチタイムの食事メニューは、5月末から無料になるそうだ。

社内に食事スペースを設ける「3つのねらい」

オフィススペースも見学させてもらった。テーマは「社員がつながるアイデア創出型オフィス」。椅子のないミーティングデスクが印象的だ。ホワイトボードがついていて、短時間で濃密な話し合いができそうだ。それ以外にも、ちょっとしたミーティングができる場所がたくさんあった。

ヒカリエへの移転が決まった当初、社員食堂の構想はなかったという。「渋谷にランチスポットはたくさんあるから、自社の食堂はいらないのでは?」という考えからだ。

しかし、具体的な移転計画を検討する中で「社内に食事できるスペースを設ける意味がある」という結論に至った。まず、ITベンチャーで働く人は、近くにお店は多くても、ランチを食べに出かける暇が惜しいこともある。

また、会社が運営する食堂であれば、社員の健康に配慮した食事が提供できる。さらに、社内にリラックスした雰囲気のスペースを作れば、仕事の合間にリフレッシュしてもらい、再び仕事に励んでもらうこともできる。社員の交流の場にもなる。

なるほど、雰囲気が一般的な社員食堂ではなく、「おしゃれカフェ」になっているのはそういうことか。フロアにはシックな雰囲気のボックス席や、掘りごたつの席、カウンター席やソファ席など、素材の異なるテーブルと椅子がセンスよく配置されている。

とても会社の中にいるとは思えない、ゆったりした空間。そしておいしい食事。人生の伴侶も会社も相手の胃袋をがっちりつかむと強いんだろうなあと思った。(池田園子)