まだひと悶着も、ふた悶着もありそうだ。
 相撲協会が目指している公益財団法人への移行もいよいよヤマ場。4月17日、この問題を取り扱う「公益法人制度改革対策委員会」(委員長・九重事業部長、元横綱千代の富士)が両国国技館内で開かれ、すでに相撲協会が一括管理することで決定している名跡(年寄株)を引き取る際、親方たちに支払う特別功労金の額などを検討した。

 要するに、名跡のお値段だ。名跡を取得した経緯は親方たちによって実にさまざま。実父や義父ら、親族から無障で取得した親方もいれば、それこそ全財産を注ぎ込み、銀行の長期ローンまで組んでようやく手に入れた親方もいる。また、取得した金額もバラバラ。
 「中には、ものの値段がすべて高騰したバブル期に2億、3億という、いまでは考えられないような高値で購入した親方もたくさんいます。また、名跡を売ったお金を老後の資金に、と考えている親方も多い。それを相撲協会が一括して安く買い取ろうというんだから、揉めるのは当たり前。評議員会でも、激しい意見をいうヤツが相次ぎ、まとめるのは大変です」(担当記者)

 そんな親方たちのかけがえのない財産の引き取り額が間もなく決まる。委員の一人、深沢武久委員(元最高裁判事)によると、この日の委員会では、「そもそも名跡は協会のものだから、特別功労金を支払うのはおかしい」とゼロを主張する硬派の委員もいれば、「協会の支払い能力からいって、2000万円から3000万円がせいぜいでしょう」と話すワケ知り顔の委員もいたという。
 相撲協会の台所は火の車。平成23年度は48億8000万円という過去最大級の赤字で、現金の預金残高も17億円にまで減少していることを公表したばかり。一代年寄の北の湖理事長らを含めて107人もいる親方たちに、高額の特別功労金を支払う余裕はない。
 今後、協会事務局が額や支払い時期などの、いわゆるたたき台を作り、5月2日に再度話し合うことにしているが、果たしてどんな額で決着するか。夏場所初日(両国国技館)は5月6日に迫っているが、親方たちはそれどころではない。