浅尾美和(左)と浦田景子(右)。準決勝、第1セットを取られたが落ち着いて逆転した。浦田にとっては初の決勝。得意のブロックが炸裂すると優勝がみえてくる
 ビーチバレーの国内ツアー第2戦・ビーチバレー大日本印章カップは、久屋大通公園(名古屋市)にて開催されている。大会第3日の12日は男女の準決勝が行われた。

 男子は昨季の総合チャンピオン、井上真弥・長谷川徳海組(ペボニア・ボタニカ)は決勝に進んだが、日本代表のナンバー1チーム、朝日健太郎(フォーバル)・白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)組は、西村晃一・ケーシー・パターソン組(WINDS)組にストレートで敗れた。

 女子も第1シードで日本代表の浦田聖子(千の花)・西堀健実(丸善食品工業)組が、草野歩(フリー)・尾崎睦(湘南ベルマーレ)組に敗れ、男女とも日本代表チームが決勝に残れなかった。浦田景子(フリー)・浅尾美和(エスワン)組は初の決勝に進んでいる。

 ロンドンオリンピックアジア大陸予選まで、あと39日。

男子日本代表の朝日・白鳥組78位、青木・今井組102位。女子は浦田・西堀組36位、田中・溝江組42位。自動的に出場権が得られるオリンピックランキング16位以内には男女ともほど遠く、7月には世界最終予選もあるが、アジア大陸予選で勝ちアジア枠「1」を取らない限り、ほぼロンドンへの道は消えてしまう。

 すでに昨年の1月1日からオリンピックランキングのポイント獲得レース(ワールドツアーでのポイントが反映)は始まっており、代表チームも昨年初春には活動を開始した。ワールドツアーを転戦し、国内ツアーにも出場するスケジュールを、代表の男女4チーム8人は昨シーズンからずっと続けている。オンシーズンにはワールドツアーは毎週のように大会があり、帰国後即試合、試合後即出国という厳しい日程をこなすことも多かった。それでも代表チームゆえ、国内で結果を残してきた。

 昨シーズンの国内の主な大会、JBVツアー7戦、ビーチバレージャパン、ビーチバレージャパンレディースを振り返ると、優勝しないまでも4チーム8人の誰かが決勝のコートには立っている。今シーズン第1戦も女子決勝は代表同士の争いとなった。

 しかし今大会、初めて決勝のコートに代表の8人が誰もいない事態となった。

 田中・溝江組は2回戦で、国内でも身長の低い幅口・小野田組にストレートで負けた。幅口は言う。「先週から(田中)姿子さんにキレがないのはわかっていた」ウィークポイントを見透かされ、相手の戦略を覆すだけの力はなかった。

浦田聖子・西堀健実組 草野歩・尾崎睦組
(写真左)浦田聖子・西堀健実組、(写真右)草野歩・尾崎睦組


 浦田・西堀組も復帰2戦目の草野・尾崎組に敗退。サーブから崩され、主導権を握れないまま連続で2セットを失った。取り戻せないリズムを変えようと、レシーバーの浦田がブロックに跳ぶなど奇策も試みたが、まったく機能しなかった。代表を倒した草野が話す。「相手はレシーブやトスなどとりこぼしがあった。何をしたいか、考えていることもわかった。代表だからといって怖くはなかった」

西村晃一・ケーシー・パターソン組
代表チームに勝った西村晃一(中)。ケーシーとともに切望した対戦で、長く国内のトップに君臨した絶対王者をストレートで退けた

朝日健太郎・白鳥勝浩組
1セットも取れず敗退した白鳥勝浩。「相手とは立ち位置が違うとはいえ、勝たなくてはいけない」と反省


 再結成から間もないとはいえ実力は日本のトップ、朝日・白鳥組も西村・ケーシー組の前に為す術がなかった。第1セットの序盤に離されるとサイドアウトが切れず、追いつけないまま終わってしまった。朝日のスパイクも完全に読まれていた。西村は話す。「対戦を楽しみにしていたのだが…。我々も決していいわけではなかった。第2セットなど、流れが相手に行きかけたが、ミスで自滅してくれた」

 国内ツアーでの勝利はオリンピックポイントに関係なく、軟打中心の国内と海外とでは戦い方が違うのかも知れない。だが国内で勝てないようでは、オリンピック出場権などおぼつかない。

 「しっかりチームを組み立てていかないといけない」(白鳥)など各チーム、課題や修正点を口にするが、残された時間は少ない。アジア大陸予選までもう国内の大会はなく、ワールドツアーも残り2戦のみ。数少ない実戦と練習でどこまで上積みできるか。

 男子の北京五輪9位、女子のシドニー五輪4位入賞、4大会連続出場など日本ビーチバレーの遺産の引き継ぎは彼らにかかっている。

 ロンドンオリンピックアジア大陸予選は来月20日から中国の福建省福州市で行われる。あと39日である。

結果は次の通り
□女子準決勝
浦田(聖)/西堀 0(19-21,17-21)2 尾崎/草野
浅尾/浦田(景) 2(15-21,21-16,15-9)1 小野田/幅口

□男子準決勝
西村/Casey 2(21-15,21-18)0 朝日/白鳥
青木/今井 0(17-21,17-21)2 井上/長谷川(徳)

(取材・文=小崎仁久)

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