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スマートフォン市場では、Nokia社が脱落しつつある中で、Apple社とSamsung社が売り上げNo.1を目指して激しい争いを繰り広げている。そして、驚くことにこの大手2社だけで、世界の携帯(handset)市場における利益の99%を占めているという調査結果が発表された。さらに、Apple社は利益のうち73%を獲得しているが、世界の携帯市場における同社のシェアはわずか9%に過ぎないという。

この調査結果は、Canaccord Genuity社が、2012年第1四半期の数字として明らかにしたものだ。

IDC社の調査によると、2012年の第1四半期にSamsung社は、前年同期(1,150万台)の約4倍となる4,220万台の携帯電話を出荷したという。

Apple社の出荷台数はおそらくこれより少ないものの(その結果、世界の携帯市場における同社のシェアは10%に達していない)、Juniper Research社によれば、Apple社が2012年第1四半期に『iPhone』から得た売上は227億ドルであり、Samsung社のモバイル部門全体の売上額である167億ドルより約3割多かったという。当然のことながら、利益は常に出荷台数より重要視される。

「Apple社とSamsung社は、稼ぎのいいハイエンド市場で競争している。そのため、一部の競合他社とは異なり、両社とも、Nokia社が『Lumia』で最近実施したように、十分な販売台数を確保するために端末の価格を下げる必要がない」と、IHS Global Insight社のモバイル市場アナリストであるデクスター・シレンは語っている。

「Google社が『Android』で得ている売上が年間で約25億ドルであることにも注目すべきだ」とシレン氏は指摘する。Google社全体の売上額は約400億ドルだ。「同社のビジネス・モデルはまったく異なっているとはいえ、ソフトウェアと比べてハードウェアがいかに重要であるかがよくわかる」

iSuppli社が4月26日(米国時間)に発表したレポートによれば、世界のスマートフォン出荷台数は35%増加する見込みであり、「スマートフォン分野の影響だけで、2012年の携帯市場の規模が7.4%拡大されることになる」という。また、「2013年には、スマートフォンの出荷台数が初めて携帯機器全体の半分以上を占め、2012年の43.5%から52%に増える」とされている。

「先進国の市場では、スマートフォンは今や、後払い方式による売り上げの約75%を占めている。また、発展途上国の市場でもシェアは拡大している。中国のベンダーが100ドル未満の端末を急速に普及させており、中国がこの市場を先導しているからだ」とシレン氏は指摘している。

TEXT BY CYRUS FARIVAR
TRANSLATION BY ガリレオ -佐藤 卓/合原弘子



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