「JR高崎駅には車両基地もあって、列車がたくさん駐両している。これらの列車を使い、高崎から“疎開列車”を出して、できる限り都心に近づく。在来線は橋梁(きょうりょう)の耐震性が弱い。やはり新幹線でしょう。23区内の人を高崎まで移送すれば、あとは在来線で自由に移動してもらえばいい。過密な避難所の問題もあるわけですから、地方への疎開は必要になる。政府は検討すべきでしょう」

 最後に、脱出経路は陸路だけではないことも紹介しておこう。東京湾は、大炎上したとしても、2週間も過ぎれば鎮火しているだろう。

「竹芝は耐震護岸になっていないのでグチャグチャになるでしょう。岸壁に着船できないとしても、横須賀の米軍の軍用艦を沖合に停泊させ、渡船でピストン輸送することは可能です」(渡辺氏)

 ただし、竹芝までは徒歩で行くほかない。結局、頼りになるのは自分の脚力のみ。今から体力づくりに励むしかない。

(取材・文/鈴木英介、写真/井上太郎)

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