ツアー開幕戦は3位。表彰台に上がった浅尾美和(左)と浦田景子のペア (写真:フォート・キシモト)
 ビーチバレー国内ツアー開幕戦スポーツクラブNASオープン最終日は6日、お台場海浜公園(東京都)にて男女決勝、3位決定戦が行われた。日本代表同士の争いとなった女子決勝は浦田聖子(千の花)・西堀健実(丸善食品工業)組が田中姿子(エコ計画)・溝江明香(産能大)組を下し優勝。男子決勝は西村晃一・ケーシー・パターソン組(WINDS)が勝った。3位決定戦に挑んだ浦田景子(フリー)・浅尾美和(エスワン)組はファイナルセットにもつれ込む接戦のすえ勝ち、開幕戦から表彰台に上った。

 「目標は総合チャンピオンです!」

浅尾美和はしっかりとそう言った。今シーズンからの新しいチームで開幕戦から3位。幸先のよいスタートを切ったが、日本代表チーム、実力者も揃う中、チャンピオンを取る自信があるのだろうか。

 昨日の準決勝では田中・溝江組に0−2で敗戦。しかし浅尾の強打、浦田のブロックが日本代表相手に通用するシーンもあり、「攻撃型チーム」(浅尾)の面が垣間見えた。浅尾のレシーバーも大きく崩されることもなく機能していた。試合後は「手応えはある」と笑顔のほうが多かった。

 3位決定戦の相手は草野歩(フリー)・尾崎睦(湘南ベルマーレ)組。尾崎はケガから1年ぶりの復帰戦とはいえ、09年には2勝を挙げている実力派チームである。

 第1セットは草野の破壊力のあるジャンプサーブに対応できず、試合のリズムが掴めなかった。ディフェンスでも浦田のブロックと浅尾のレシーブのコンビネーションが悪く相手の攻撃を拾えない。16−21でセットを落としてしまう。しかし終盤、光明は見えた。レシーバーだった浅尾もブロックに跳ぶツーブロックシステムに変更。「第1セットを失ったけど、終盤に気持ち的にも切り替えられ、それがその後に繋がった」と浅尾は話す。

 第2セットはサーブで狙われていた浦田と浅尾がレシーバーのポジションをスイッチ。浦田は本来のレフトポジションへ。「このチームで初めてライトを経験してまだ慣れていない。リズムが悪かったので、風上(攻撃には不利)になる時だけ美和に替わってもらった」と浦田。これでチームにリズムが生まれた。尾崎の前のスペースを狙ったショット、浦田のブロックも効果的に出始め、相手のミスを誘っていく。草野・尾崎は狙いを変更し浅尾にボールを集めるが、昨季までとは違い浅尾がなかなか崩れない。浦田・浅尾が第2セットを取った。

 第3セットは序盤にリードを許すが、浦田の強打とブロック、浅尾のレシーブが冴え、追いつき逆転した。最後は草野のサーブミスを誘い試合を制した。

 浦田、浅尾ともにレシーブや強いスパイクなど基本的な技術の向上、筋力のアップが見られる以上に戦術的な考えの成長を感じる。システムの変更やレシーバーポジションのスイッチなど素早く判断し勝ちに繋げた。浅尾は話す。「スイッチやツーブロックは(試合前から)用意していたわけでなくヒラメキで(笑)。様々な形(ポジションやシステム)を練習してきたので、試合の状況や相手に応じて変えていく。昨シーズンと比べて、引き出しが増えた。リズムを変えるとき様々なことができる」

 浦田は「ずっとブロッカーをやってきたが、レシーバーの練習をするようになってレシーバーの気持ちがわかるようになった。それに美和がレシーブを上げてくれるのでブロックに専念できる。海外では常にブロックについていないと話にならない。だからフェイクの練習はしていません」と話す。ショット(軟打攻撃)、フェイクブロック(ブロックに跳ぶと見せかけてレシーブに下がる防御)全盛の国内ビーチバレーにおいて、強打中心のオフェンスとつねにブロックに跳ぶ攻撃的ディフェンス。「準決勝は思いっきり打っていたボールがアウトになっていただけ」と浅尾も話す。

 様々な練習を重ね持ち得た戦術の柔軟性。そして目指すは真の攻撃型チーム。総合チャンピオンを目標に掲げた自信の根拠は案外あるのかもしれない。

結果は次の通り
□女子3位決定戦
浅尾/浦田(景) 2(16-21,21-16,15-13)1 尾崎/草野
□女子決勝戦
田中/溝江 1(15-21,21-19,9-15)2 浦田(聖)/西堀
□男子決勝戦
西村/Casey 2(21-18,21-14)0 井上/長谷川(徳)

■優勝した浦田聖子・西堀健実
苦しい試合だった。自分達がやってきたことを出せたと思う。第1セットはサーブが良かったが、その後悪くなり、それでも第3セットで切り換えができた。いつもは溝江選手を狙っていくが(田中)姿子さんのプレイにいつものキレがなかったので、サーブはどちらへとは決めず状況に応じて打っていった。

■準優勝の田中姿子・溝江明香
相手よりもミスが多かった。連戦の疲れもあったと思う。コート上空は風が舞っていて高いトスに影響があった。それを修正できなかった。相手はトスが低く安定していた。

■昨季のリベンジを果たし優勝の西村晃一・ケーシー・パターソン
2年目となったケーシーとのコンビネーションがよく簡単に勝つことができた。グッドリベンジ!(ケーシー)

■決勝で敗れた井上真弥
スコられました…。ミスが多かった。パスもトスもカバーできずミスのしっぱなし。ケーシーのようにトスが一定に上がらなくては…。サーブもバリエーションは多かったが効果的ではなかった。

(取材・文=小崎仁久)

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浅尾/浦田(景)組 浅尾/浦田(景)組 尾崎/草野組
(写真左_中央)浅尾/浦田(景)組、(写真右)尾崎/草野組

浦田(聖)/西堀組 田中/溝江組
(写真左から)浦田(聖)/西堀組、田中/溝江組