加山雄三が5月7日から、『ちい散歩』(テレビ朝日系)のあと番組を受け持つことになった。
 これまで出ていた地井武男が心臓疾患で療養に専念するためで、タイトルは『若大将のゆうゆう散歩』。前番組と同じく午前9時55分から10時30分までの放送である。

 棚からボタ餅的に仕事がまわってきた加山の事務所は、理由が前任者の体調不良のせいか、ホームページでおとなしめに次のように告知している。
 《大海原を航海し、雪山をスキーで滑走し世界中を旅してきた加山雄三。大ヒット映画『若大将シリーズ』でも、ありとあらゆるチャレンジを経験してきた。だがそんな加山にも、いまだに体験していない“大冒険”が残っていた…! それこそが街の散歩!》

 たしかに加山にはこうした番組は未経験だが、それが”大冒険”とは、はしゃぎすぎである。
 「後任の条件は70歳前後で全国的な知名度があり、スキャンダルがないということでした。加山は75歳と高齢だが知名度は抜群。いまだに全国ツアーを行うほど元気なところが売りのようで、そのへんが起用理由のようです」(芸能プロ関係者)

 ただ、加山で大丈夫なのかという声が出ているのも事実。というのも、新番組の『ゆうゆう散歩』はテレ朝通販の看板番組。局にとってこの部門はかなり落ち込んでいて、加山はその原動力になる必要があるからだ。
 ある業界ウオッチャーはこう不安視する。
 「地井の場合は、俳優業をリタイアし、人生を楽しんでいる雰囲気があったが、加山はいまでもどんどん仕事を入れており、現役そのもの。金も名誉もまだ欲しい、というなま臭いところがある。視聴者が加山にどれだけ感情移入できるのか、疑問ですよ」

 さらに、番組では加山のバッグやグッズなどの商品が販売されることが予想されるが、加山は過去に“問題”を起こしたことがあるのもネックになる可能性がある。
 加山はかつて楽器店『フィルモア』と組み、 50周年記念モデルのモズライト・ギターを製作し販売した。これが「詐欺および不正競争防止法第2条1項 (不正競争防止法違反)」にあたるとして、京都府警に告訴状が出されたことがあるのだ。訴えたのは、米モズライトの創始者セミー・モズレー氏(故人)の正式な継承者で、未亡人のロレッタ・バリア・モズレーさん。 50周年モデルなどは真正品ではない粗悪品で、許可なく製造・販売したという内容だ。
 そうした過去があるだけに、今後は加山銘柄商品の価値が問われることになろう。加山起用に不安要因は尽きない。