中国政府外交部の劉為民報道官は3日の記者会見で、領有権を巡って中沙諸島(マクルスフィールド諸島)付近で中国の監視船とフィリピンの軍艦が対峙している問題について、フィリピン側が自国の主張を発表したり小細工を用いることは「事態を拡大する」ことになるなどと批判した。

 中国、フィリピン両国はいずれも、中沙諸島で唯一海面から露出している島である黄岩島(スカボロ礁)の領有権を主張している。

 フィリピン軍が4月8日、中国漁船8隻が黄岩島付近に停泊しているのを発見。船内で発見した証拠品から「サンゴや魚介類を密猟していた」として乗組員を逮捕しようとしたことに反発し、中国は監視船を現場に急行させた。

 両国の軍艦と監視船は同海域で対峙。20日以上が経過したが、事態は大きな進展を見せていない。

 劉報道官は3日の記者会見で、「同事件は、フィリピン側が中国の主権を侵害し、中国漁船を襲撃したために発生した」、「フィリピン側と中国側がともに、外交手段も用いて目下の状態を解決することを望んでいる」と述べ、フィリピン側が自国の主張を発表を繰り返したり小細工を用いることは「事態を拡大、複雑化、国際化する」などと批判した。

 さらに南シナ海で発生している領有権を巡る対立全般いついて「中国側は関係国との直接の交渉と友好的な話し合いにより、争議を解決することに力を尽くす」と述べた。(編集担当:如月隼人)