『絶対達成する部下の育て方――稼ぐチームに一気に変わる新手法「予材管」』(横山信弘・著/ダイヤモンド社)

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「営業の仕事は、目標予算を達成させること」。横山信弘著『絶対達成する部下の育て方――稼ぐチームに一気に変わる新手法「予材管理」』は、営業チームが目標予算を“絶対達成”させるために必要なマネジメント法が解説されている。

著者は、年間100回以上のセミナーを実施、5000人を超える経営者・マネジャーを動員する現場コンサルタントの横山信弘さん(@nyattx)。本書が横山さんの処女作となる。

「“絶対達成”の思考でスタートするのと、99%の目標でクリアとしてスタートするのでは、結果がまるで異なってくる」と書かれている。ここでいう“絶対達成”とは、「目標達成を目指す」ではなく、「どんなに悪くても目標達成」という意味だ。

「本書はアイデア本、意識変革本としてとらえています。私も本書を担当して、相当意識と行動が変わりました。営業の方のみならず、業種を超えて応用できるノウハウが詰まっています」とダイヤモンド社・編集担当の寺田庸二さん(@yoji_terada)。

■“絶対達成”するために必要な2つのポイント
1. 目標予算に「焦点」を当てる
本書では、「そもそも部下が目標予算に『焦点』が当たっていない」のが問題であると指摘する。「焦点」が当たっているのかを確認するには、「目標予算を突然質問されたときに即答できるか」というのが目安となる。1万人を超える経営者・マネジャーへのアンケート結果では、「営業の8割が自分の目標予算に焦点が当たっていない」との回答だったという。

「“絶対達成”することが仕事と腹をくくる=『焦点』を当てることによって、目標に対する不足分がわかる。そうすれば、不足分の『空白』を埋めたいという心理的欲求(『脳の空白の法則』)が働き、目標を逆算して自ら考えるようになる、ことを本書で伝えています」と寺田さん。

“絶対達成”を妨げる要素のひとつに、いままでのやり方を変えたくない「現状維持バイアス」という思考があるのだという。会社員時代の私も、まさに「目標数値が高すぎるんじゃないか」「この不景気だから厳しいんじゃ……」といった「現状維持バイアス」がかかっていた。「100%に届かなくても仕方ないか」などとどこかで思っていて、当時を振り返るとココロが痛んだ。

ただ、もちろん、過去と違う習慣をやろうとするとストレスもかかる。でも、その最初の数カ月を回数と体験で乗り越えて、習慣化させることによって「ストレス耐性」が培われ、ストレスと思わなくなるのだという。乗り越える方法については、寺田さんいわく、「やはり本書で書かれている『予材管理』の『白地(しらじ)』を常に意識して、脳内に空白をつくること。そして、アタマで考える(つまりPDCAサイクルの「P」)だけでなく、お客様との単純接触回数(つまり「D」)を一気に増やすことで、小さな成功体験を積み重ねることが大事だと思います」。

2. 行動量を圧倒的に増やす
「単純接触機会」を増やして、顧客との信頼関係(ラポール)を築くこと。アナログ的な印象を受けるかもしれないが、「足で稼げ」というもの。
「最初から『効率が悪いのでは』などと言ってストップするのではなく、まずは、行動量を増やして結果を出してみること。その体験があってはじめて、『どうしたら効率が上がるのか』という質を上げる話ができる」と本書には書かれている。

本書ではその具体的なやり方、そして、“絶対達成”するためのマネジメント方法「予材管理」を紹介している。

■“絶対達成”するためのマネジメント方法「予材管理」とは?
「予材管理」とは、「予定している材料」を表し、「見込み」「仕掛り(しかかり)」「白地(しらじ)」という3つから構成されている。
「見込み」=目標予算のうち達成できそうなもの
「仕掛り」=ひょっとしたら注文がくるかもしれないもの
「白地」=お客様との信頼関係を築いている段階。「仕掛り」前

組織全体で目標達成するために「見込み」「仕掛り」「白地」を合わせて、目標予算の「2倍」の材料を積み上げるのが基本。そして、「まだお見せできる状態ではない」「もう少し確度が高まったら報告します」など、手持ち情報を全部オープンにしないこともNG。著者は“種まき”にあたる「白地」が一番大事と述べている。

本書と関わりをもって以来、自分なりの「予材管理」を常に意識するようになったと寺田さん。
「『単純接触回数』は私の場合で言えば、著者をはじめ、書店員さん、ブロガーの方々にお会いするといったことです。また、本との出合いも入ります。この接触回数自体が『白地』でもあり、こういった方々との会話の中から、次なる金の企画が生まれてくることも多いのです」

また、本書では“絶対達成”をノルマとすることによって、「労働時間が長くなったりはしない」と述べている。ムダな仕事は自然と消えてなくなるというのだ。目に見える効果として「営業会議」、「管理資料」が激減。さらには「今日1日何をしたかではなく目標を達成させるために何が足りないのか、“未来”を見ていく」ことが大切で、「営業日報は100%必要ありません」とバッサリ。

本書で伝えている核となるものは、“絶対達成”をバシッと定めることによって、「どうしたら達成することができるのか」と自分の責任として引き受けること。
「“絶対達成”実現のために、自分一人では難しいと行き詰まったときには、マネジャーや同僚に相談するようになります。そうやって解決して達成感を味わうと、組織が活性化してまわりにもいい影響を与えていくのではと思います。本書をマネジャーのみならず、部下のみなさんにも読んで共有してもらって、会社の組織・チームとしての強靭さを身につけていただきたいです」と寺田さん。

『絶対達成する部下の育て方』、営業の方にかかわらず読んでほしい1冊です。
(dskiwt)