平成の毒婦、木嶋佳苗の出現によって悪女論が再燃する中、有吉佐和子の『悪女について』がドラマ化されます。主演は、その言動や私生活から「平成の悪女」のイメージが強い沢尻エリカ。「別に」発言から5年ぶりのドラマ主演が意味深な役どころとあって、どんな悪女っぷりを見せてくれるのかに注目が集まっています。

 小説は、27人の男女が週刊誌のインタビューに答える形で展開していきます。語られるのは、真紅のカクテルドレスを着たまま転落死を遂げた美貌の女実業家、富小路公子について。巨万の富を得て、時代の寵児ともてはやされた彼女の死は他殺なのか、自殺なのか。悪女だったのか、聖女だったのか。不幸だったのか、幸せだったのか・・・・・・。

 インタビューから噴出する「あの女にたぶらかされ、金を取られた」「偽ものの宝石をつかまされた」などといった悪女の一面。その一方で、「純粋な人だった」「心の優しい人だった」「金に潔癖だった」という真反対の証言も。ドラマチックでミステリー仕立ての展開と、悪女の心理に近づきたいという思いから読者はどんどん物語に引き込まれていきます。

 事実として見えてくるのは、貧しい八百屋の娘が、元夫らから慰謝料として手に入れた土地や金を元手に宝石商などの事業を広げ、ホワイトハウスのような豪邸に住み、たくさんの宝石を手に入れ、若く美しい男をはべらせるまでに成り上がったということ。それは、ひとえに彼女の努力と商才によってでした。

 印象的なのは「主人のお金で、宝石を買うのは悪妻でしょう? 私は自分で働いて、それでダイヤモンドを買うのよ。だって美しいものを身につけていると、胸を張って歩きたくなるでしょう?」という彼女の言葉。元手を手に入れた手段はどうあれ、「自分の力で欲しいものを手に入れる」という彼女の考えに共感を覚える女性も多いのではないでしょうか。

 沢尻エリカが女性に共感を与える悪女をどう演じるのか、注目のドラマ放送は4月30日です。



『沢尻エリカ主演で注目『悪女について』に女性が共感する理由』
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 出版社:新潮社
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