アウトドア料理の基本“飯盒炊爨”をマスターせよ!

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さて。もうじきゴールデンウィークですが、これからの季節“キャンプ”や“バーベキュー”などの遊びが楽しい季節ですね。そこで今回は野外調理の基本である“飯盒炊爨(はんごうすいさん)”のポイントをざっくりと紹介します。

みなさん“飯盒炊爨”ってやったことありますか? 子どもの頃に体験学習みたいなので炊いたっきりという人も多いと思います。ちなみに飯盒(はんごう)で米を炊くと何故か“飯盒炊飯(はんごうすいはん)”とは言わずに“飯盒炊爨(はんごうすいさん)”となるので、そこら辺もついでに覚えておきましょう。
最近は“電子炊飯器”が当たり前になっているので、鍋で米を炊くというのが初めての人も多いはず。しかし“炊飯の肝(キモ)”をびしっと押さえれば難しいことではありません。この機会に“鍋や飯盒で米を炊く”という技を覚えてしまうと良いと思います。

まず飯盒というと謎の形状をした“兵式飯盒”が一般的ですね。上からみると“豆”っぽい形の例のアレです。
ちなみに飯盒があの形になった説はいくつかありますが「飯盒を複数並べて米を炊く時に飯盒と飯盒の間に隙間ができない」「兵隊さんがベルトに通したとき体にフィットする」などが有力です。あの形はドイツの飯盒が原型らしいのですが、戦時中の写真を見ると確かにベルトにつるしている写真なども見受けられますね。

そして次に普及しているのが“丸形飯盒”と呼ばれる、そのまま円柱のような形。こちらの飯盒もメジャーです。これは兵式飯盒よりも“洗いやすい”ので、ちょっと飯盒を知っている玄人に愛用されています。大きさも4合〜5合炊きまであり国産の製品もあるのでオススメです。

それら普通の飯盒を踏まえたうえで、飯盒マニアの筆者がイチオシなのが写真の“フランス軍飯盒”です。従来の野暮ったい飯盒のイメージを覆す銀ピカでスタイリッシュな感じがたまりません。さすがはフランス! 軍用なのに無駄にセンスいいぜ!! これをキャンプ場で使えば周囲からは羨望の眼差しで見られること間違いなしです。

そして見た目だけじゃなく飯盒としての性能もピカイチなのがフランス軍飯盒。通常の飯盒よりも肉厚のアルミで作られているので頑丈で熱回りが良いです。蓋と本体の合わせ部分もしっかりしているし、合わせ部分が深いので密閉性もいい感じです。


飯盒の中にある“中蓋”は皿として使えますが、深さがあるので“シュウマイ”などのオカズを蒸せます。さらに達人になると飯盒の蓋の上にレトルトを乗せて温めたりするので“御飯、シュウマイ、レトルトカレー”の3品を同時に作ったりもできます。


ほかにも蓋の部分はハンドルが付いているので、頑張ればフライパン的な使い方もできます。
でも、ちょっと深さがあってフライパンとしては使いにくいのでレトルトハンバーグやソーセージを焼くくらいがちょうど良い使い方ですね。それでも蓋に取っ手が付いているのは便利と言えます。
しいてフランス軍飯盒に難があるとすれば“軍用放出品”なので洗うのがちょっと大変です。グリスが塗ってあるかコンパウンド(研磨剤)で磨いてあるので、何度も念入りに洗ってから使わないと“残念な御飯”になってしまいます。

そんなわけでざっくりと飯盒をいくつか紹介しましたが、世界にはまだまださまざまな飯盒や鍋(メスキット)があるので興味がある人はいろいろと買って使ってみると良いでしょう。そんなに高い品物ではないし生涯使えるので買うか買わないか迷ったら買ったほうが正解です。

それではいよいよ“飯盒炊爨”に入りましょう。本来は“米を研ぐ”ところから解説したいのですが、そこは21世紀なので“無洗米”を使う方向で良いと思います。やはりアウトドアでは水が貴重ですし、米の“とぎ汁”なら害はないけれども屋外でブチ撒けるのはマナー違反です。それに無洗米のほうが研いでいる時の吸水がないので“米と水の量”がより確実に計量できる利点もあります。

●しっかり計量する

お米10に対して水12〜13の割合で飯盒に入れて30分〜1時間くらい吸水させます。とにかく水は“米の25%増し”と覚えておけば良いでしょう。
そして飯盒炊爨の最大の肝は“米にしっかり吸水させる”ということです。炊き上がりの御飯に芯が残った場合は“吸水時間が足りない”か“蒸らし時間が足りない”ことが原因です。
アウトドアなら火を起こしたり他の準備もいろいろとあるので、現地で食事の準備を始めるときは最初に飯盒に米と水を計量して入れてからほかの作業を始めるといい感じです。

●火加減は中火

飯盒炊爨というと「火加減が大事」と言われていますが、実は火加減は適当で大丈夫です。むしろ上記の“吸水”さえしっかりやれば滅多に失敗しません。
「はじめチョロチョロ、なかパッパ、赤子泣いても蓋とるな」は迷信と言っても過言ではありません。釜と違って飯盒のアルミは肉厚が薄いので、初心者が“なかパッパ”を意識すると底のほうが焦げて“残念な御飯”になるだけです。
むしろ火力の調整が難しい屋外なら終始“中火”をイメージして炊いたほうが確実です。弱火だとなかなか水が沸騰しないし、極端な強火だと米がα化する前に水分だけなくなって焦げてしまします。

●飯盒からパチパチと音がしたら火から下ろす

ちゃんと計量して“中火くらい”の火力で炊いていると、飯盒の中が沸騰してから8〜12分でパチパチという音がします。これは飯盒の中の水分が米に吸収されたり蒸発したりで、底のほうの水がなくなって米が焼けるときの音です。
こうなると焦げ始めるので、音が聞こえたら速やかに火から下ろして蓋をしたまま5分くらい蒸らします。このときに“飯盒をひっくり返すして蒸らす”と習った人も多いと思いますが、そんなことをする必要はありません。

●食す

屋外で炊きたてならば25%増しでウマいので特に食べ方に制限はありません。定番で言えばカレーですが“ふりかけ”や“缶詰”といったアイテムも素敵です。それぞれ好きなアレンジで食べましょう。
筆者の場合は「猟師が山に持っていくのは米とみそのみ!」という縛りがあるので“フンドーキンの麦みそ”を常用しています。米が炊けるまでみそをなめながら酒を飲み、米が炊けたらみそをおかずに米を食し、食後は飯盒に水と味噌を入れて沸かしみそ汁を作ります。

以上で“飯盒炊爨”は終了です。ポイントはしっかり吸水させて終始中火ってことですね。最初から強火で「急いで御飯を炊こう」とか、途中から強火にして「カニ穴作っちゃうぞ〜」とか欲張ると大抵は失敗するので要注意です。カレーは作ったけどライスがないとか悲惨過ぎますからね。

普通の飯盒炊爨に慣れたら“炊き込み御飯”などもオススメです。そのとき“しょうゆ”を入れると焦げやすいので、なるべく“塩”で味を調えたほうが失敗しません。しょうゆはあくまで色付け程度に少量だけ加えます。具材はニンジン、ゴボウ、キノコ類、今の時期ならタケノコとか最高です。後は“油揚げ”を刻んで入れておけば間違いありません。鶏肉は好みで入れても入れなくてもって感じです。
炊き込み御飯が作れるようになれば、ピラフなども簡単に作れるのでいろいろとチャレンジして料理の幅を広げましょう。

ほかにも「飯盒は米を炊くことに特化している」と思われがちですが、普通に鍋や食器として使えるので、防災用品のなかにも是非とも加えてほしいですね。家族の人数分の飯盒があれば食料の配給を受けるときにも困りません。このとき飯盒の内側に“ビニール袋”を入れて飯盒が汚れないようにして配給を受けるのが自衛隊式。かなり便利な技なので豆知識として覚えておくと良いでしょう。

そんなわけでアウトドア料理の基本中の基本である“飯盒炊爨”について語ってみましたが、ぶっちゃけ細かいことはどうでもいいんです。お気に入りの飯盒と炊きたての白飯があれば良いのですよ。あとは天気が良かったり景色が最高ならそれで十分でしょう。
それでは、みなさんも“お気に入りの飯盒”を手に入れて、是非とも飯盒炊爨にチャレンジしてみてください。

※この記事はガジェ通ウェブライターの「YELLOW」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?