昨年の東日本大震災から1年が過ぎたこの春、震災後に被災地をはじめ東北各県で撮影された映画が続々と公開されます。『HOME 愛しの座敷わらし』もそのひとつ。

 2007年に朝日新聞紙上に連載され、好評を博した荻原浩さんの『愛しの座敷わらし』。主人公のサラリーマン・晃一は47歳。ある日、課長職での地方支店への異動を命じられました。これは、晃一の会社では主流から外れることを意味します。今回の異動を機に晃一は、これからはサービス残業や付き合いの酒もせず、出世など気にせず、まっすぐ家に帰り、家族と一緒に過ごすことを決めたのです。そして、東北の片田舎に大きな古民家を見つけ、ここに移り住むことに。

 妻・史子はこの引越に不満・不安を隠しきれません。東京で育ったために田舎暮らしには大きな抵抗があったのです。また、人間関係に悩んでいた長女・梓美も、新しい学校生活のことが心配でした。過保護に育てられた弟・智也は喘息もち。そして、晃一の母・澄代は、田舎住まいを否定しませんが、最近、認知症の症状が始まりつつある様子。

 五者五様の問題を抱える一家をうまくまとめようと四苦八苦する晃一。そんな晃一の姿を覗き見ている者が......。なんと、その家には不思議なわらしが棲んでいたのです。一風変わった同居者とともに、家族が家族らしさを再確認していく同作品は、家族小説の代表作ともいえるでしょう。

 第139回直木賞候補にも選出された同作品を、人気ドラマ『相棒』の主演&スタッフで映画化したのが、『HOME 愛しの座敷わらし』。主人公のサラリーマン・晃一を演じるのは水谷豊。共演は、妻・史子に安田成美、長女・梓美に橋本愛、弟・智也に濱田龍臣、そして、認知症気味の晃一の母・澄代は草苗光子が演じます。監督は、『相棒』シリーズのメイン監督でもある和泉聖治氏。

 映画『HOME 愛しの座敷わらし』は、4月28日に全国で公開されます。



『一風変わった同居人と共に「家族」を見つめなおす〜『愛しの座敷わらし』』
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 出版社:朝日新聞出版
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